汚部屋の引越しは、通常の引越しよりも手間暇がかかります。とはいえ、汚部屋からの脱出には絶好の機会ですから、引っ越そうという気持ちが固まったら、すぐに業者に連絡をとりましょう。汚部屋の引越し手順や、注意点を紹介します。

引越しで汚部屋を脱出しよう

汚部屋をどうにかしたいという人は、思い切って住まいを変えるという方法があります。しかし、いきなり引越しというのはハードルが高く、腰が引けてしまう人もいるでしょう。

そんな人は、まずは引越しによる汚部屋脱出のメリットをチェックしてみてはいかがでしょうか。

物を処分するキッカケになる

古い住まいを引き払い新居に移る際は、今ある物をすべて動かさなければなりません。これは汚部屋に物をため込んでいる人にとっては、又とない『物を処分するキッカケ』となるでしょう。

また、新居へ移す物が多いほど引っ越し費用も高くなります。引越し業者の見積もりを見てその金額に驚けば、「なるべく物を減らそう」という意識も働きやすくなるのではないでしょうか。

期限ができるのでモチベーションになる

引越しの際『退去通知』を出すことで、引越しには期限が設けられます。

退去通知とは現在契約している大家に対し、『〇月〇日までに退去します』と明確に知らせることです。退去通知の提出期限は30日前までというケースが多いですが、事前に必ず契約書を確認し、決められた期日までに退去する旨を報告しなければなりません。

退去通知を出してしまえば、汚部屋にいられるのはその日までです。ゴミ捨てや荷物のとりまとめについての効率を考えるしかなくなり、汚部屋脱出を現実的に考えるようになるでしょう。

気分を一新できる

ゴミに囲まれた汚部屋暮らしを快適と思う人はいないでしょう。引越しはそんな汚部屋から逃れ、ゼロから生活をリスタートするチャンスです。

汚い部屋を見るだけで気分が暗くなっていた人も、新しい部屋ならそんな心配はありません。汚部屋に住んでいた頃の嫌な事、憂鬱な気分をすべて捨て去り、新しく快適な生活を始められるのです。

片付けと引越しは同時進行がオススメ

汚部屋から新しい部屋に移る場合、片付けや掃除と荷造りを同時に行うと手間が省けます。汚部屋を空ける際、どのような手順で行えばよいのでしょうか。

不要な物を処分し、必要な物は荷造り

引越し時にはゴミを処分し、新居に移すものはまとめなければなりません。これは通常の引っ越しでも大変な作業ですが、汚部屋の場合はさらに数倍の手間暇がかかると考えた方が無難です。不要な物やゴミは迷わず処分し、必要な物だけを新居に送りましょう。

処分や仕分けが面倒な人は、「新居に持っていってから仕分けしよう」と考えがちです。ところが、これをすると新居が再び汚部屋化し、もとの不快な生活に戻ってしまうおそれがあります。現在使用している物、絶対に必要な物だけを荷造りし、そうでない物は潔く捨ててしまいましょう。

経験者のブログで予習しよう

片付けをどうしたらいいかわからない、要・不要の判断ができないという人は、汚部屋経験者のブログなどを見てやり方を真似してみましょう。

現在汚部屋に悩む人は多く、ブログにも『汚部屋』というカテゴリがあるほどです。このカテゴリに登録されているブログをいくつか見ていけば、自分と同じ悩みを持った人や同じような状況の人にも出会えるでしょう。

実際に汚部屋を脱出できた、あるいは現在脱出中であるという人を参考に、「自分もやってみよう」とモチベーションをあげてはいかがでしょうか。

業者の選び方や料金は?

汚部屋からの引越しは、通常の引っ越しよりも料金が高くつく場合が多く、どんな業者に引っ越しを依頼するかは重要なポイントとなります。汚部屋からの引越しでは、どんなことに注意して業者を選べばよいのでしょうか。

片付けと引っ越し費用がかかる

汚部屋の引越しでは、引っ越し前に片付け業者に入ってもらうと効率よく引っ越しできます。

汚部屋のまま引越し業者に見積もりを依頼すると、ゴミが多いぶん高くつく可能性があります。また、あまりにもひどい汚部屋だと、引越しを受けてくれないかもしれません。そのため、汚部屋は事前に片付いた状態にしておく方がよいのです。

汚部屋を片付ける手間暇がない人はまず、片付け専門の業者をあたりましょう。片付け業者が綺麗にしたタイミングで引っ越しの見積もりを取れば、見積もり料金をぐっと安く抑えられるでしょう。料金は2社分かかってしまいますが、そのぶん引越しはスムーズになります。

複数業者から見積もりを取る

一般的に、汚部屋の片付けや引越しは、通常の部屋よりもお金が多くかかります。なるべく料金を抑えて業者に依頼したい場合は、複数業者に見積もりをお願いし、料金を提示してもらいましょう。

ただし、見積もりの金額をもらっても、料金だけで判断してはいけません。一見安く見える業者は後からオプションを追加させられたり、規定外の料金を取られたりする可能性があります。

料金とともに見積もりに含まれている項目も精査し、バランスのよい業者を選ぶようにしましょう。

掃除と引越しを同時に行う業者もある

近年は掃除・片付けと引越しをまとめて引き受けてくれる業者も登場しています。掃除と引越しのセットプランを持つ業者なら、事前に片付け業者に依頼する必要がなく、便利です。

業者のなかには要・不要品の選別から賃貸物件の原状回復まで、一手に引き受けてくれるところもあります。細かい相談にも応じてくれるので、汚部屋の引越しに悩む人は、まずこのような業者に相談するとよいでしょう。

汚部屋からの引越しの注意点

汚部屋からの引越しを決めても、『汚部屋であること』が足枷となり、様々なトラブルが発生するかもしれません。汚部屋の主が覚えておきたい引越し時の注意点を紹介します。

原状回復費用がかかる場合がある

賃貸物件の場合、退去時には部屋の現状を回復して明け渡さねばならないという、国交省によるガイドラインがあります。

こうした原状回復費用は、通常ですと敷金または保証金から支払われます。普通に生活していればこの範囲内で収まる場合がほとんどですが、汚部屋になると追加の費用が発生すると覚悟しておきましょう。

例えばカビの発生により床がダメになった場合、床材すべてを取り換えることになります。過去には300万円以上請求されたという事例もあり、汚部屋の傷み具合によっては、多額のお金を請求される恐れもあると承知しておかねばなりません。

引っ越し屋依頼時にゴミが多いことを伝える

あらかじめゴミが多い汚部屋であることを伝えておくと、引越し時に不用品を回収してくれる業者もあります。引越しと同時に不用品の廃棄もできるので、事前に相談しておくとよいでしょう。

ただし、この方法でお願いすると、通常の引越し料金よりも高額になることは承知しておかねばなりません。お金を払うぶん手間暇が省けると考えて、潔く支払うことをおすすめします。

新居を汚部屋にしないことが重要

新居を汚部屋化させないポイントは、まず物を増やさないことです。購入したらその分捨てる、を徹底し、無駄な物・不要な物はとことん排除しましょう。こうすることで部屋にある物の全体量を正しくキープができて、部屋が物で溢れることはありません。

また、こまめな掃除習慣も汚部屋化を防ぐには重要です。時間がない人も一カ所だけ、少しだけの掃除を習慣化させ、「部屋が汚いと居心地が悪い」と感じるようにしましょう。

「綺麗な方が居心地がよい」というのは、掃除の大きなモチベーションになります。小さな掃除を習慣化できれば大きな掃除が不要となり、日々快適に過ごせるでしょう。

まとめ

汚部屋に悩んでいる人は、いっそ汚部屋を引き払うとすっきりするかもしれません。なるべく早く新居を決めて、退去通知を出してしまいましょう。期限が決まれば、あとは動くしかありません。あれこれ考える暇がないので、片付けにも集中できるのではないでしょうか。

汚部屋の引越しは通常の引っ越しよりもお金がかかるかもしれませんが、引越しは新しい生活を始める絶好のチャンスです。汚部屋にすっきり別れを告げて、快適な暮らしを手に入れましょう。