家主が高齢になるにしたがって、実家がゴミ屋敷になってしまうことがあります。ゴミ屋敷となった実家を放置しておく問題点や、実際に片付けるときに親を説得する方法までまとめました。ゴミ処理を業者に依頼するメリットも紹介しています。

実家のゴミ屋敷化は深刻な問題

実家がゴミ屋敷化してしまうと、子供にも影響があります。恋人を実家に呼ぶこともできず、里帰りしにくくなるなど問題も出てくるでしょう。

実家の親が高齢になるにつれて、掃除が行き届かない状態も増えてきます。ゴミ屋敷化した実家について、ブログなどで悩みを訴える声が多いことも特徴です。

実家がゴミ屋敷で悩んでいる人は多い

実家がゴミ屋敷になり、悩む人はたくさんいます。きれい好きな両親でも、ある日突然家にゴミが溜まってしまうケースがあるため安心はできません。

家族が亡くなったり、年を取ってできることが少なくなったりすると、積極的に掃除する気力が失われてしまいます。

あまり実家に帰ることがない人でも、定期的に様子を見て不自然なことがあれば未然に防ぐことが大切です。

恋人や結婚相手に打ち明けられない

実家がゴミ屋敷になっていることを、恋人や結婚相手に伝えられない人もいます。恥ずかしい気持ちや、悪い印象を与えてしまいそうな事柄に、打ち明けられない人は多いのではないでしょうか。

しかし、真剣に結婚を考えているのに、実家に呼ぶことを拒否し続けていては相手にも不審がられてしまうでしょう。ゴミ屋敷を片付けるか、いずれは状況を相手に伝えなければなりません。

里帰り出産できない、帰りたくない

本来なら里帰りしてサポートを受けながら出産したいときでも、ゴミであふれた実家に帰るわけにはいきません。サポートを受けるどころか、怪我や病気のリスクがあり、逆にストレスが増えてしまいます。

悩みを訴えるブログもある

実家がゴミ屋敷化してしまい、片付けがうまくいかないと悩みを訴えるブログもあります。自分の家であればスムーズに片付けられる人でも、相手が親となるとうまくいきません。

自分の常識は通用せず、たとえ正論を述べても親が意固地になってしまうためです。親が片付けることを拒否するケースだけでなく、認知症などの病気によってゴミ屋敷化してしまったパターンも多く見受けられます。

実家のゴミ屋敷を放置する問題は?

実家がゴミ屋敷でも、自分の家ではないからと放置しておくと、周囲から苦情が出てしまうケースがあります。また、庭や家の周りがゴミだらけの状態だと、火事や不法投棄にあうリスクも増えます。

自治体による行政代執行になると、家主や身内にゴミ処理代が請求されてしまいます。業者を頼むよりも思わぬ高額な費用が発生してしまうこともあります。

近隣からの苦情

部屋の一室だけにとどまらず、外側までゴミがあふれ出すと近隣から苦情が発生することがあります。また、散らかっているのが部屋の中だけだったとしても、臭いが周囲に漏れ出すと苦情の原因になります。

実家がゴミ屋敷になってしまった場合、状況によっては家主だけでなく身内にまで連絡が来ることがあります。

そうなってしまえば、早急に対処しなければなりません。苦情が来るような家になる前に、片付けに踏み切りましょう。

火事や放火被害のリスクもある

部屋の中や家の周りにゴミがあふれていると、火事のリスクが増えます。ホコリに火花が引火して発火する現象も起こりやすく、ゴミに引火して燃え広がることも考えられます。

外までゴミがあふれていると、放火犯に目をつけられる可能性もあるでしょう。ちょっとした火種でも、ゴミがある分すぐに燃え広がるため大変危険です。

火の不始末で実家だけでなく周囲の家まで巻き込めば、賠償責任が発生するケースも考えられます。

行政代執行になる場合も

京都府や東京都品川区、和歌山県など、各地でゴミ屋敷の行政代執行が行われています。もちろん、原則は訪問や指導で解決させることが一般的です。

何度説明してもらちがあかず、周囲に迷惑をかける場合は強制的にゴミ処理が執行されます。行政が行うゴミ処理は業者に依頼したもので、無料のサービスではありません。

家主に数十万~100万円以上の請求が発生し、国税と同じように取り立てられます。身内にとっても、関係のない話ではありません。

親の説得方法とは

ゴミ屋敷化している家を片付けるには、家主である親を説得しなければいけません。強制的に行政代執行がされる場合を除いて、家主の意見を無視して個人の所有物の掃除を進めることはできないためです。

早めに親を説得できれば、家の状態を悪化させずに片付ける方向に持っていけます。

帰省の際など直接話し合う

実家に帰らずゴミ屋敷を放置するのではなく、帰省の際に話し合う時間を作りましょう。単に体が動かず掃除が面倒になってしまっている場合は、手伝うことを申し出れば解決するかもしれません。

ゴミを自分の財産だと思い込んでいる場合や、捨てることを極端に嫌がる場合は長期的な説得も必要です。身内同士だと感情的になってしまうときには、第三者を交えて話し合いの場を設けることも考えましょう。

怒鳴って解決するのはよくありません。親が納得しないまま片付けても、すぐに同じ状態に戻ってしまいます。

片付けられない原因を解決する

片付けられない原因が老化による体力の衰えや、気力の減退だった場合には、片付けやすい部屋を作りましょう。

使わないファミリー向けの食器や電化製品など不要なものを捨て、片付けやすい低い場所に収納を設置すると、高齢者でも掃除がしやすくなります。

認知症やうつ病など、精神的な病気がかかわっている場合は、まず専門機関で検査を受けなければなりません。率直に認知症やうつ病を疑っていることを話すと、親もショックを受けて反発されるかもしれません。

なるべく違和感のないように、まずはかかりつけ医に相談するか、心配していることを伝えましょう。

ゴミ屋敷の掃除は業者に依頼できる

ゴミ屋敷の掃除は、業者に依頼するとスムーズに進みます。プロである業者は、同じようなゴミ屋敷を何度も掃除してきた実績があり、安心して任せられるでしょう。

家の状態がひどくない場合は自分でも片付けができますが、それなりの労力が必要です。ゴミが多いときや外までゴミがあふれかえっているなど、どうしようもない場合はゴミ処理業者に依頼しましょう。

自力での片付けは大きな労力がかかる

ゴミ屋敷化している実家を片付けるには、サポートが必要です。そもそも実家に住んでいる親は家をゴミ屋敷にしてしまうほどの状態のため、自力で片付けるよう伝えても効果は得られないでしょう。

しかし、サポートをするには、自分の仕事や家事の合間に実家に通わなければなりません。また、粗大ゴミも家の外まで運び出す必要があります。

人手が多くスムーズに片付けが進むならともかく、無理に片付けを始めるとトラブルの原因です。物を捨てようとしても、親からストップがかかればうまくいきません。

きつい言葉を使ってしまうと、関係が悪化する原因にもなります。

定期的に様子を見ることも重要

業者に片付けを依頼し、すべてが終わったと安心してしまうかもしれませんが、片付けた後も定期的に様子を見ましょう。

再び散らかり始めると、また同じようにゴミ屋敷になる可能性があります。体を動かすことが辛く、掃除が難しい場合は手伝いも必要です。

定期的に確認し、手伝えることがあれば積極的に実家を訪れましょう。

まとめ

実家がゴミ屋敷になってしまい、悩んでいる人はたくさんいます。放置しておくと近所迷惑になるだけでなく、改善されない場合は行政が強制執行で片付けることにもなりかねません。

放っておいて改善されることは少なく、いずれ向き合うことになるため、早めに対処しましょう。

ゴミ屋敷の片付けは業者に依頼できます。忙しく掃除に参加できない人でも、親を説得さえできれば実家を片付けられるでしょう。