いくら収納できていたとしても、物が多すぎる部屋は雑多な印象を受けます。すっきり暮らしたい人は、物を減らすことから始めてみませんか。物が多すぎる、部屋が片付かないという人は、まずは物を減らすコツや収納のコツからチェックしてみましょう。

物が多い家は散らかりやすい

きちんと整理された家ほど余計な物が少なく、決められた収納スペースにきちんと収まっています。ところが、物が多い家は不要な物に溢れ、統一感がありません。

家が散らかっていると感じる人は、収納と物量の適切なバランスについて考えてみましょう。

雑然とした印象になる

物が多い家は、一見して雑然とした印象を受けます。これは物が隙間なく収納されていたり、収納しきれない物が溢れたりしているからです。

「収納できているけれど雑然としている」と感じるなら、それは収納の見せ方にも問題があるのかもしれません。物を隙間なくぎゅうぎゅうに押し込んでいたり、横に入れるべきものを縦に入れたりしていませんか?

物が多い人は収納力以上に物を詰め込みがちですが、『収納できたからOK』ではありません。隙間なく突っ込まれた物は、部屋を雑然と見せてしまうと承知しておきましょう。

ホコリやゴミが溜まる

ホコリやゴミのない部屋にするには、こまめな掃除が必要です。しかし物が多ければゴミやホコリが溜りやすく、掃除するのも難しいでしょう。

あまりにホコリやゴミが溜ると、ダニや害虫が発生することもあります。深刻な健康被害を受ける前に、物を減らすことを検討しましょう。

物が減るとこんな効果が

物を減らせない人は、物が少なくなった時のメリットを考えてみてはいかがでしょうか。物が減ることにより、いかに暮らしが快適になるかわかれば、「物を減らそう」という気持ちになるかもしれません。

可処分時間が増える

要らない物にとらわれることがなくなれば、自由に使う時間が増えます。

物の多い暮らしは、意外と無駄が多いものです。必要な物がすぐに出てこなかったり、作業スペースを作るために片付けから始めたりと、何事にも時間をとられてしまいます。ところが、もしも部屋がすっきりしており余計な物がなかったら、1つ1つの行動にかかる時間は、ぐっと短縮できるでしょう。

「時間の無駄といっても、ほんの数分だし」と考える人もいるかもしれませんが、ほんの数分も積もれば数時間、数十時間になります。この時間が他の事に回せれば、自分の時間をもっと有意義に使えるでしょう。

無駄遣いが減る

物が少ない家なら、物の管理は容易です。本当に必要な物が常に把握できているので、無駄にお金が出ていくことはなくなるでしょう。

一方、物が多い人は同じ物を何度も購入したり、ストックがあるのにまた購入してしまった経験はありませんか?これは物の管理が出来ておらず、必要な物の場所や数を把握できていないからです。このような人は何がどこにあるかをきちんと把握できれば、思う以上にお金が貯まっていくでしょう。

現在「お金を使っているつもりはないのに、貯まらない」という人は、まず物を減らすことがか始めてみてはいかがでしょうか。

心が落ち着く

物がなくすっきりした部屋と物で溢れた部屋を想像した場合、どちらがゆったり過ごせそうだと感じますか?

ほとんどの人は、物がなくすっきりした部屋と答えるのではないでしょうか。物が多いということは、それだけで人に刺激やストレスを与えます。色々な物が目に入れば気が散って、落ち着いて過ごせないでしょう。

また、物で溢れていることを自覚している場合、「片付けなければ」という気がかりが常に心のどこかにあるはずです。家にいるだけでストレスになってしまうため、常にイライラを抱えがちになります。

『部屋は心の状態を表す』と言われるのは、あながち間違いではありません。すっきり綺麗な部屋ほど、人は落ち着いて過ごせるのです。

物が多い部屋の片付け手順

「片付けよう」という気分になったら、効率よく片付けを実行し、手早く終わらせてしまいたいですね。

とはいえスムーズな片付けのためには、きちんとした段取りを組む必要があります。まずは片付けの全体像を把握して、迷いなく最後まで片付けられるようにしておきましょう。

不要な物を捨てる

片付けの最初に行うのは、不要な物を捨てることです。始めに物の全体量を減らしてしまうことで、続く収納や掃除が楽になります。まずは片付け場所にあるすべての物を『要・不要』に分け、要らない物は処分してしまいましょう。

効率のよい片付けのためには、捨てる順番を考えることも重要です。片付けにはスピード感が必要なので、まずは『明らかにゴミ』とわかるものから捨ててしまいます。明らかなゴミなら迷うことはなく、潔く捨てられるでしょう。

また、早めに大きな物から捨てるのも、掃除を効率よく終わらせるコツです。大きな物がなくなればそれだけで部屋はすっきりします。「片付けが進んでいる」という実感を得やすく、片付けのモチベーションが上がりやすくなるのです。

必要な物を収納

部屋中の物を要・不要に分けたら、必要な物だけを収納します。しかし中には「要・不要を分けたら、ほとんど必要な物だった」という人もいるでしょう。このような場合、物の全体量が減らないので、そのまま戻してはいけません。

必要な物ばかりで捨てられなかったという人は、残す物の数に上限を設けます。すっきり見える部屋の条件は、物の数が部屋の広さの3割程度、収納棚内なら8割程度です。物を残す際はこの適量を意識すると、雑多な部屋になるのを防げます。

また、本や衣類など要・不要の判断がしにくい物も、数を決めて残すことが重要です。本なら〇冊、衣類なら〇着など自分で残す数量を決め、はみ出したぶんは潔く処分してしまいましょう。

物が無くなったスペースを清掃

物の全体量を減らせば、残りはすっきりと収納できたのではないでしょうか。床面や壁面が片付いたら、いよいよ清掃に取り掛かりましょう。ただしこの場合も無駄な清掃をせずに済むよう、効率を考えて動くことが重要です。

基本的に掃除は上から下、奥から手前に向かって行います。こうすることでゴミを集めたり拭き掃除したりする手間が1度で済み、掃除時間を短縮できるのです。

物を捨てるコツとは?

部屋をすっきりさせるためには、不要な物は捨ててしまわねばなりません。どうしても迷ってしまう人は、自分なりの『捨てる基準』を設けるとよいでしょう。すっきり物を捨てるためのポイントを紹介します。

使っていない物は捨てる

物を捨てる時の判断基準の1つが、『現在使っているかどうか』です。普段から出番の多い物は役立つ物、必要な物ですから、捨てる必要はありません。ところがほとんど出番のない物は、現在の生活に要らない物です。少なくとも1年以上使用していないなら、捨ててしまっても困ることはないでしょう。

傷んだら捨てる

捨てられない人の中には、傷んだ物も大切に持っている人がいます。これは「まだ使えるかも」という意識が働くためで、とくに衣類に顕著です。

しかし実際のところ、傷んだ物に出番はありません。毛玉が多い、へたりが激しい衣類は『寿命』と諦め、思い切って捨ててしまいましょう。

電子化も検討

本やCDはすぐに溜まってしまい散らかるため、「これが処分できれば、部屋がすっきりするのに」という人は多いでしょう。

本やCDが部屋を散らかしている人は、本やCDをタブレットなどに入れて、本体は捨ててしまってはいかがでしょうか。近年は電子書籍やダウンロード可能な曲が充実していますし、1度読んだ本やCDの現物を所持する必要性は薄らいでいます。

タブレットやスマホで管理すれば場所も手間もとらないうえ、クラウドサービスを使えば容量を気にする必要もありません。読みたい本や聞きたい曲が1カ所に纏まっているため、利用する機会も、以前より増えていくでしょう。

また、電子化されていない本なら、『電子書籍化サービス』を利用できます。今ある本もスキャンして、電子化書籍を充実させてみてはいかがでしょうか。

物を増やさない方法

物が散らかるのは、収納力以上に物が増え、収まりきらなくなるためです。片付けやすく綺麗な部屋をキープできるよう、余計な買い物をしないように注意しましょう。

また、散らかさないためには、所持している物を正しく収納することも大切です。適当な収納は物の管理をあいまいにし、片付けにくくします。動線を考えた収納で、物が迷子になるのを防ぎましょう。

衝動買いをしない

衝動買いをする人ほど不要な物が増えていきます。買い物をする時、多くの人は「本当に必要か」「今必要なのか」など、買い物の正当性を検討します。ところが衝動買いしてしまう人には、このプロセスがありません。流行しているから、激安だからと安易に物を購入してしまうのです。

一般的にこのような衝動買いに走る人は心になんらかのストレスを持っている場合が多く、買うことがストレス発散に繋がっています。『物を増やさない』という強い気持ちを持ち、物を買う前は次のように自分に問いかけてみましょう。

  • 本当に必要な物か
  • CMなどにのせられていないか
  • 同じような物を持っていないか
  • 購入した後収納できるのか

このうち1つでも該当するなら、それは購入すべきではないものです。自分には必要ないと言い聞かせ、購入をあきらめましょう。

収納を工夫する

自分の行動パターンに合わせて収納場所を決めれば、物の管理が楽になります。例えば玄関の側にカギ入れを作る、よく使うカップほど棚の手前に置くなど、使用頻度の高い物と使う場所をセットにして、収納場所を決めるのです。

物と場所を結びつけて収納することで物の置き場が明確になり、置き忘れやしまい忘れを防げます。物の数や状態も把握しやすいので、無駄買いや二重買いで「しまった」ということはなくなるでしょう。

まとめ

片付かないと嘆く人ほど、多くの物を溜め込んでいます。綺麗な家を目指すなら、まずは溢れている大量の物を処分することから始めましょう。物を捨てるのが難しいという人は、『1年以上使わなかったら捨てる』『傷んだら捨てる』など自分の中のルールを明確にしておくことをおすすめします。

また、部屋が綺麗になった後も、物を増やさない努力が必要です。物を購入する前は本当に必要かどうかをよく考え、今ある物は使いやすい場所に配置して、きちんと管理できるようにしておきましょう。

必要な物だけに囲まれた部屋は、居心地よく快適です。時間もお金も有意義に使え、ゆとりある暮らしを楽しめるでしょう。