昨今の日本では片付けられない人が増加していて、ゴミ屋敷化の懸念が他人ごとではなくなってきています。ゴミ屋敷の片付けは個人で行うのは困難なため、業者にやってもらうのが1番でしょう。今回は業者の選び方が料金相場を、大阪エリアを中心に紹介します。

ゴミ屋敷を放置すると危険

ゴミ屋敷は、景観が悪いだけではなく様々な実害やリスクを、住人や近隣住民にもたらします。

どのような弊害があるのかを詳しく見ていきましょう。

心身への健康被害

弁当の容器やペットボトルを放置していると雑菌やカビが繁殖し、またそれを餌に虫が寄ってきます。

ゴキブリやハエは家の中を徘徊し、雑菌を家中に拡散するでしょう。大腸菌やサルモネラ菌などの危険な菌を媒介にする可能性があるため危険です。

また、布団に繁殖するダニも、SFTS(ダニ媒介性感染症)やダニ媒介性脳炎といった様々な病気を引き起こすので注意が必要です。埃やカビが充満した空気を吸い続けることでアレルギー反応を引き起こすケースもあります。

部屋が汚いと、住人は閉塞感を感じますし、物を探すのも移動するのも不便なため、ストレスを感じます。近隣の住民や親族と揉めることもあり、精神的にも良い環境とは言いがたいでしょう。

火事のリスクが高まる

物が散乱している状態では火災のリスクも高まります。煙草の不始末やコンロの消し忘れといった、わかりやすい要因だけでなく、ゴミに溜まったガスに引火することや、コンセントの差し込み口に溜まった埃が着火するトラッキング火災が発生することもあるのです。

古新聞や雑誌などの可燃ゴミが辺りに散乱していると火の周りが早くなり、消防車が来る前に燃え広がってしまいます。

また、散乱したものが避難経路を塞いでしまうケースもあるのです。実際に、高齢者の家でカセットコンロの火が生ゴミから発生したガスに引火して火事になり、玄関に積み上げられたゴミのせいで逃げ遅れて亡くなるといった事故も発生しています。

訴訟や行政代執行のリスクも

近年では、ゴミ屋敷に関する条例を施行する自治体も増え始めています。中でも、ゴミ屋敷に対して自治体主導でゴミの撤去や片付けをする『行政代執行』は、その際にかかった費用はすべて家主に対して請求されます。

また、アパートやマンションの一室が汚部屋化するケースも報告されているようです。マンションで借りている部屋は専有部分と呼び、賃貸契約が結ばれている間は管理会社や大家でも勝手に何かをすることはできませんが、近隣住民に被害が出ているケースは別となります。

競売にかけられ、立ち退きを要求されるだけでなく、汚部屋化によって発生した虫や悪臭が実害と認められると、裁判で損害賠償請求をされる恐れもあるのです。

ゴミ屋敷を掃除する方法は?

実際にゴミ屋敷化してしまったらどのように片付けるべきでしょうか?その方法は大まかに分けて2つあります。

自力でやる

1つ目が、自力で片付けるという方法です。この方法は費用はかかりませんし、親や友人などに知られることもなく清掃することができます。

ただし、広い一軒家や、庭や屋外にもゴミが溢れているケースでは1人でやるのは難しいでしょう。カビや虫の繁殖や生ゴミが放置されていると、片付けに数日以上かかることもあります。作業が多すぎると途中で心が折れてしまったり、仕事の関係で掃除を中断したりしてしまうかもしれません。

自分1人で掃除をするのが不可能だと判断した場合は、片付け業者に頼ることも考えた方が良いでしょう。

業者に依頼する

個人での清掃が困難な場合、業者に頼んでみることをおすすめします。費用はかかりますが、作業期間も短く、1人では困難なクリーニングなども隅々までやってくれるでしょう。

部屋の片付け方などを指導してくれるアドバイザーもいます。

ゴミ屋敷が社会問題化していることもあって、企業のオフィスや店舗だけでなく、個人を相手にした片付け業者も増えているようです。

自力で対処できる?

自力で対処するのには労力がかかります。途中で挫折してかえって散らかってしまうケースもあるようです。

どこまでが自力で、どこからを業者に頼むべきなのか、その線引きを行っておきましょう。

ワンルームなど狭い部屋なら可能

ワンルームや、家の中でも一部の狭い空間なら、自力で掃除することも可能でしょう。ただ、一概には言い切れません。次のようなケースの場合は、業者を利用することを考えた方が良いt考えられます。

  • 風呂場やキッチンなどの水回りが機能していない
  • 部屋の中だけでなく、ベランダや入り口までゴミが溢れている
  • 衛生状態がかなり悪い
  • 気力・体力・時間的な問題で掃除が困難

水回りが機能していないと、掃除に水を使うことができません。ゴミが溢れている場合や、衛生状態が悪い場合は個人で掃除をするのはかなりの労力になります。また、仕事が多忙で休みが取れない場合や、高齢で掃除をする体力や気力がない場合も、やはり途中で挫折してしまう可能性が大きくなりますので、これらのケースでは片付け業者への依頼を視野に入れましょう。

人手の確保とゴミの処分が課題

簡易清掃や片付けであれば1人でも可能かもしれませんが、ゴミ屋敷にまで至ってしまうと、どうしても人手と時間が欲しくなります。

家族や知人に声を借りて、3人で数日間ほどは欲しいところです。社会人であれば、確保は難しいかもしれません。

ゴミの処分も大きな課題です。大量のゴミは通常のゴミステーションに出しても回収してくれないので、結局業者を呼ぶことになります。ゴミ屋敷では色々なゴミが混ざり合っているので、ゴミの分別や処分方法の検討も、専門家に頼んだ方が良いことが多そうです。

業者に頼む場合と比較して検討

業者に頼むかどうか悩んでいる場合、実際にシュミレートして検討してみましょう。片付け業者では金額を公開しているところも多数あるので、サイトを見てある程度料金を予測してみてはいかがでしょうか。

中には、こちらからゴミの量を入力するだけで費用を算出してくれるシュミレートソフトを設置している業者もあります。

ある程度の見積もりが判明したら、自分で掃除をする場合の作業に必要な道具や作業内容をリスト化して、業者に頼んだ場合の費用と比べてみても良いかもしれません。

直接依頼をしてみるまではいかなくても、まずは電話で相談してみるだけでも、検討はしやすくなるでしょう。

ゴミ屋敷片付けはどこに依頼すればいい?

片付け業者にも様々なタイプがあります。ゴミ屋敷を片付ける際に、どのような業者に依頼すれば良いのでしょうか?業者の特徴やタイプについて解説します。

ゴミ処理や片付けを請け負う業者がある

片付け業者といえば、昔は企業の倉庫やオフィス、店舗の清掃をメインに行う業者がほとんどでしたが、現在はゴミ屋敷が社会問題になっていることもあり、個人宅やマンションの一室でもゴミの処理や片付けを行う業者が増えています。

業者にも得意不得意があり、大手業者であればどんな内容でも請け負ってくれますが、ゴミの処理や分類を得意とする業者や、クリーニングに秀でた業者、散らからないように家主に対し指導を行うアドバイスやサポートを行う業者もあるのです。

自分にとってどのような業者がもっとも必要なのかを見極める必要があるでしょう。

作業内容や費用は業者により異なる

作業内容は業者によって大きく変わります。ゴミの処分だけを行っているところもあれば、リサイクル品や美術品として売れそうなものは売却手続きを行ってくれるような業者もあります。片付けからクリーニングまですべてを引き受けてくれるところもあれば、どちらか一方という業者も珍しくありません。

業者によって費用も異なります。同じ作業を依頼しても数万円近く差が出ることがあるので、あらかじめ見積りを取っておくようにしましょう。

作業料金はどれくらいかかる?

それでは、実際に作業料金の目安を見ていきましょう。どういった要素が費用に関わってくるのか、ポイントを解説します。

料金の基本は人件費とゴミ処理費

作業費用を決める要素は、『人件費』と『ゴミ処理費』です。

人件費はスタッフの人数と、拘束時間をかけた値になります。作業内容が多く数日に跨がってしまう場合や、粗大ゴミが大量にあって人手を必要とする場合では、それだけ費用が高くなるでしょう。

また、ゴミ処理費はゴミの量と種類が影響するようです。ゴミの種類については、通常の可燃ゴミなどなら問題ありませんが、粗大ゴミや家電は通常の方法で処分できないため、料金が割高になります。

仏壇や金庫といった処分しにくいものも処分費用が高くなる傾向にあり、業者によっては引き受けてくれないところもあるようです。

量については、次で詳しく解説します。

作業範囲の広さとゴミの量で決まる

業者が見積もり費用を算出する場合は、作業範囲の広さでだいたいの計算をします。作業範囲によってワンルームなら2名、3LDKなら3名以上といったようにスタッフ人数が業者側である程度人件費や作業時間が決まるからです。

ゴミの量も、料金を決定する要素の1つになります。多くの業者では重さによって料金が変わりますが、中にはゴミを運ぶトラックの大きさや台数によって料金を決めている業者もありますので、どういった方法で料金を決めるかは業者に確認しましょう。

複数業者に見積りを取るのがオススメ

片付け業者に依頼すると決めたら、複数の業者に見積りを取ることをオススメします。その理由は2つあります。

まず、費用の相場がある程度わかるということです。片付けには明確な相場がないため、1つの業者だけを選んでもそれが高いのか低いのかの判断がつけにくいのです。複数の業者に依頼すると、平均的な費用が見えてきます。

もう1つが、明らかに異なる価格を提示してくる悪徳業者を排除することにもつながります。他とは明らかに異なる価格や、費用明細が不明瞭な見積もりを提示してくる業者は悪徳業者である可能性が高いので、候補から外しましょう。

悪徳業者に注意

家でくつろいでいると、外から廃品回収のアナウンスが聞こえてくることもあるでしょう。そういった業者の中には、非認可で営業している悪徳業者が混じっています。引越しの片付けやゴミ処理において、悪徳業者に騙されたという相談が、消費者センターに相次いでいるそうです。

悪徳業者によってどのような被害がもたらされたのか、実例を紹介します。

高額な追加料金を請求された

無料や割安と言っておいて、トラックに積み終わってから法外な価格を請求する業者や、見積価格の倍以上を請求されたといった被害報告があります。

処分費用ゼロや、ゴミの積み放題などと営業トークをする業者がありますが、まともな業者であればゴミ処理には費用がかかります。ゴミ処理台はゼロ円でも別の部分で色々な費用がかかったなどと言って、結局かなり高額な金額を請求してくるのです。

中には、お金を払わないと言ったらヤクザまがいの恐喝をされた、という報告もあるので注意してください。

ゴミを不法投棄された

悪徳業者は不認可のため、正規の処分場の利用ができません。そのため、ゴミを不法投棄する業者もいます。そのゴミの所有権は法律的には依頼者にあるため、不法投棄されたゴミの回収費用と、新たに処分する費用が依頼主に請求されてしまうのです。

近隣環境に被害があった場合は、最悪その費用も請求される怖れがあります。不法投棄をするような業者には絶対に依頼をしてはいけません。

優良業者の見分け方

上で紹介したような悪徳業者の被害に遭わないために、どのように優良業者を選べば良いか、見分け方について解説します。

一般廃棄物収集運搬業許可を持っているか

家庭ゴミを業者が処分するには『一般廃棄物収集運搬業の許可』が必要です。この許可を持っていないと自治体の正規のゴミ処理場が使えないので、その業者はゴミを不法投棄する可能性が高くなります。

一般廃棄物収集運搬業の許可を得ているか、あるいは許可を得ている別の業者と提携していることを必ず確認しましょう。

見積に不明点はないか

料金見積もりに曖昧さはないか必ず事前にチェックしましょう。ゴミ処理の費用の計算の中に、リサイクルや粗大ゴミにかかる特別処理費用が含まれているかなどは、必ず業者に確認しましょう。見積りに対する疑問について、きちんと質問に的確に答えてくれるかどうかも、優良業者を見分ける重要なポイントです。

実態のある会社か

会社としてきちんと実態があるのかどうかも確認しましょう。ホームページはあるか、またそこに住所や連絡先は書かれているかもチェックしておいた方が良いでしょう。

電話についてはきちんと市外局番から記載されているかもチェックします。携帯電話の番号が連絡先としてサイトに載っているような業者は要注意です。

業者の名前をインターネットで検索し、利用した人の評判を調べてみるのも良いかもしれません。

大阪市内のオススメ業者

最後に大阪市内で依頼できる片付けの優良業者を紹介しますので、片付け業者を探す際の参考にしてみてください。

泰進環境

泰進環境は、昭和29年に設立された歴史ある会社です。大阪市環境事業公認業者に認定されており、市からも依頼を受けて仕事をしています。

法人向けには産業廃棄物や事業系廃棄物の回収、個人向けには普通ゴミの回収や粗大ゴミの回収、ゴミ屋敷の片付けも行っていて、普通の業者なら断られるケースもある少量のゴミでも引き受けてくれるのが嬉しいところです。

5年以内の家電や機器、楽器の買い取りもやっていて、買い取り価格をその場で現金払いをしてくれるというサービスもやっています。

『お掃除日記』というブログから、ビフォーアフター画像も見ることができるので、依頼する際の参考にしてみてください。

  • 会社名:株式会社 泰進環境
  • 住所:大阪府大阪市浪速区敷津東1丁目6番20号
  • 連絡先:0120-13-5371
  • 営業時間:平日9:00~17:00(土曜日は15時まで)
  • 公式サイト

関西クリーンサービス

関西クリーンサービスは、ゴミ屋敷の片付けや掃除も行ってくれますが、遺品整理に優れた事業者です。

遺品の仕分けや処分は、親族にとってデリケートな作業ですが、それを丁寧に行ってくれます。部屋のクリーニングや特殊清掃、通常の業者では処分してもらえない神棚や仏壇の処分も引き受けてくれるのが特徴でしょう。

形見の仕分けやその後の遺産相続についても相談に乗ってくれるので、亡くなった方の遺品整理や家のクリーニングを依頼してみると良いでしょう。

  • 会社名:関西クリーンサービス
  • 住所:大阪府大阪市中央区釣鐘町1-5-9
  • 連絡先:0120-673-373
  • メール:info@k-clean.jp
  • 営業時間:8:00~21:00(メールは24時間対応)
  • 公式サイト

ほっとすたっふ

ほっとすたっふは、ゴミ屋敷の整理や遺品回収、不要物の買い取りや引越の手伝いなど様々な業務を手がけています。

価格が比較的安く設定されていて、軽トラック1台分以下の廃品回収なら1万円以下の料金で依頼することも可能です。家の片付けには、ハウスクリーニングを無料で行ってくれるサービスがついています。

訪問見積もりも無料で行ってくれるので、事前に正確な予算が知れるのも嬉しいポイントです。ホームページには具体的なケースの記載がされており、非常にわかりやすいので1度確認してみてください。

  • 会社名:まごころのおてつだい ほっとすたっふ
  • 住所:大阪市中央区南船場3-6-24 IBC心斎橋west 202
  • 連絡先:0120-484-902(大阪・兵庫エリア)/0120-484-922(奈良・南大阪エリア)
  • 営業時間:8:00~22:00
  • 公式サイト

まとめ

ゴミ屋敷化した家屋は放っておくと、健康に悪影響があるだけでなく、自治体から強制処分が下ったり、周辺住民から訴訟されるなど、金銭面でも痛手を被ることがあります。火災による死亡事故の例もあるので、早急に片付けた方が良いでしょう。

その際、個人の手に負えないようなら片付け業者への依頼も考えましょう。悪徳業者にかからないように、一般廃棄物収集運搬業の許可証の確認や、相見積りをすることが重要です。