きちんと整理しているはずなのに部屋が散らかって見える…そんな時は、部屋に置いている物が多すぎるのが原因かもしれません。部屋の片付けは、まず物を捨てることからはじめてみましょう。捨てる物の選び方や整理整頓のコツについて解説します。
目次
部屋が片付かない理由は物の多さ
ついこの間片付けたのに、気がついたらまた散らかっている…そんな経験をした人は多いのではないでしょうか。
その原因は、家具や嗜好品をはじめ、部屋面積に対して物が多すぎることにあります。物が多いとなぜ散らかってしまうのか、その理由について見ていきましょう。
物が多いと部屋をスッキリ見せるのが難しい
過ごしやすくスッキリした部屋は、しっかりと空間が確保できているという特徴があります。
床や壁が一面物に覆われている状態では、生活していて圧迫感を感じてしまうでしょう。
また、外から見ても部屋のスペースに対して物がありすぎると、片付いていない印象を受けてしまうものです。
部屋の中をスッキリ見せるためには、空間を確保した上で、部屋の中をシンプルにすることを意識したレイアウトを心がけましょう。
整理するのが面倒になり散らかる
掃除や整理整頓をする場合、何もない部屋と物が散らかっている部屋では、何もない部屋の方が圧倒的に楽です。
物が多い部屋は、その分整理の手間が増えて心理的にもストレスがかかりますし、実際に時間もかかってしまいます。
片付けが億劫に感じられてしまい、整理をしないまま次の物が積み重なっていくなど悪循環です。
そうならないためにも、普段から部屋に置く物の総量は、ある程度制限する必要があります。
他にもある、物が多い部屋のデメリット
物が多い部屋で発生するデメリットは、部屋の整理整頓がしにくいというだけではありません。
他のデメリットについても学ぶことで、散らかっている状況に危機感を抱くことが大切です。
不衛生で健康に悪い
汚い部屋には、カビや雑菌が蔓延しています。カビは汗や手垢に含まれた僅かな成分でも繁殖できます。
カビの胞子がエアコンに吸い込まれて部屋中に拡散すると、アレルギー疾患になることもあります。加湿器やキッチンなどの水場も、カビの温床になりがちです。
また、部屋のあちこちに溜まった埃のせいで、ハウスダストアレルギーを引き起こす可能性もあります。
部屋が不衛生だと、健康面が損なわれるという大きなデメリットがあるので、注意が必要です。
物を探すのに時間がかかる
物が多いという状況は、不要なものと必要な物の分類ができていないということでもあります。
物が溢れていると必要な物を探すのに時間がかかります。さらには、物を探す過程でまた散らかしてしまい、適当に片付けを行った結果、次に物を探す時にさらに難しくなるという状況の悪化につながりかねません。
物を探す時間を、そのまま整理整頓の時間にした方が、部屋が片付く分ストレスフリーに過ごせるでしょう。
無駄な出費につながる
物が多ければ保管するための収納グッズが必要です。冷蔵庫であれば、無駄なものの収納にはその分の電気代が余計にかかってしまいます。
引っ越しをするにしても、物が多ければそれだけ費用がかさんでしまう可能性があるでしょう。
何よりも、無駄な物があるということは、その購入費にお金を使ったということでもあります。無駄な物を買うことを許容してしまう環境が、出費につながる大きな原因です。
部屋の片付けは物を減らすこと
部屋を片付けると決めたときに、最初にやらなければいけないのが物を減らすことです。不要な物が多ければまたすぐに散らかってしまいます。
物を減らすためのステップについて詳しく見ていきましょう。
捨てるものと残すものを分類
部屋の中にある物を、捨てるものと残すものにカテゴライズしていきましょう。効率よく分類する方法は『1度全部出してみる』ことです。
収納されている物も、押し入れに入っているものも、1度すべて取り出して並べてみましょう。たしかに面倒ですが、まずは部屋の中にどれだけの物があるのか、現状を把握することが、片付けをする上での大きなポイントです。
すべて並べてみることで、自分の買い物の傾向や、無駄だった買い物の反省など、色々見えてくるものもあるでしょう。
また、類似品や衝動買いに対する戒めにもなります。
必要なものだけ残し整理
すべてを並べ終えて、部屋にある物の全体がある程度見えてきたら、必要なものだけを残しつつ整理をしていきましょう。
時間をかけずに判断していくのもコツです。直感的に「要る」「要らない」を判断すると、思い切りもよくなります。
その後は、収納場所へと戻していきましょう。整理前よりスッキリして心地よいスペースになっているはずです。
捨てるのが苦手。断捨離のコツ
どうしても物を捨てるのが苦手、という人もいるでしょう。「後で使うかもしれない」と考えたらなかなか捨てられないかもしれませんが、部屋を整理するためにも思い切って断捨離を実行する必要があります。
断捨離のコツは「捨てる」「捨てない」の判断に明確な線引きをすることです。どのようなラインで区分すべきかを解説します。
1年使っていないなら捨てる
まずは、1年以上使っていない日用品は捨ててしまいましょう。
例えば衣服は、季節や年ごとのトレンドもありますし、体のサイズが変化して着られない、ということもあります。「また痩せたら着るだろう」という曖昧な基準で置いておくのは止めましょう。
時間が経過するごとにトレンドや自分の好みからは外れていくので、今後さらに着る可能性が低くなると考えた方が良いでしょう。
また、本についてもある程度トレンドがあります。常に新しい内容の本が出版され続けているため、古い情報の本は読まなくなるものもあります。本は冊数が増えるほどに重く、スペースをとるようになるため、1年以上読まなかった情報本や雑誌は、思い切って捨ててしまうことをおすすめします。
他にもキッチン周りの調理器具や化粧品など、1年以上使用していないものは処分してしまいましょう。
傷んでいたら捨てる
キッチンや冷蔵庫を整理していると、お歳暮やお中元でもらった物が消費されずに残っているケースがあります。また、冷蔵庫の奥から、賞味期限の長い食品がこっそり出てくるということもあるでしょう。
臭いや見た目に変化はなく、これなら食べられるかも…と思うかもしれませんが、見た目にはわからない部分が傷んでいる可能性もあります。特に夏場は物が傷みやすく、食中毒の元です。食品に関しては安全面も考慮して捨ててしまいましょう。
お気に入りだったけれど生地が傷んだ洋服や、靴なども同様です。捨てることをためらって取っておいたとしても、いたずらに収納スペースを圧迫するだけです。これを機に、傷んだものについては思い切って捨ててしまいましょう。
迷ったら捨てる
基本的に捨てるかどうか迷うようであれば、捨てることをおすすめします。取っておいたとしても結局使わないことがあまりに多いからです。
しかし、整理をしている中で、本当に捨てていいのか迷うものも出てくるでしょう。捨てた後での後悔は、できればしたくないものです。
そういう時は、分別する横に『保留ボックス』を作って置いておきましょう。とりあえず迷ったらその中に入れておきます。
そして期間を決めておき、その期間内に利用する機会がなかったら、改めて捨ててしまいましょう。
物を増やさない方法
過剰にある物の分別も部屋を整理する上で大切ですが、そもそも部屋に物を増やさないことも同じぐらい大切です。
物を増やさないために普段からどんなことを気に掛けるべきでしょうか。
自分の部屋にある物を把握する
自分の部屋にどういったものがあるのかを、普段から把握しておくことが大切です。
ハサミやペンなどの雑貨類を必要だと思って購入し、帰ったら部屋にあった、という経験があるのではないでしょうか?
自分の部屋にある物が把握できていれば、同一品や類似品を購入する失敗はぐっと減ります。
また、物が把握できていれば『代替できるもの』についても考えられるようになるでしょう。ハサミがあればカッターは不要かもしれませんし、調理器具についても、ボウルの代わりに大き目のお椀を代用することも可能です。
自分の部屋のものをきちんと把握することで「今買おうとしているものが本当に必要か」を考えられるようになります。
質の良い、気に入ったものを購入する
『安物買いの銭失い』という言葉が示すとおり、安いからといって気軽に買う癖がついていると、結果的に高い物を買うよりも出費が増えます。
元の素材が悪いことが多いのに加えて「壊れてもすぐに買い直せばいい」という気持ちから扱いが雑になり、寿命も早くなるものです。
その辺りに放置するようになれば、部屋のスペースを無駄に取ってしまうことにもつながります。
そこで発想を転換して、『質の良い気に入ったものだけ』を買うようにしましょう。大切に扱えば長持ちしますし、置く場所にもこだわれば片付ける習慣がつきます。
収納は増やさない
物が増えたからといって、安易に収納スペースを増やすことを考えてはいけません。
収納スペースを増やすことは、その分他のフリースペースを圧迫することにつながります。また、管理する物の数がそれだけ増えることになるのです。
収納スペースはむしろ小さくするのが、片付けのポイントになります。
本棚やクローゼットの数を減らしたり、規格を小さしてそれにあわせるように物を整理するようになれば、部屋の中にある物の数は自然に減っていくでしょう。
断捨離のメリットを感じよう
今までは物が多いことのデメリットばかりに触れてきましたが、ここからは、物を減らすことで生じるメリットについて触れていきましょう。
断捨離を行うことで生活習慣をはじめとして、様々な良い変化がもたらされます。
気持ちや思考が整理される
断捨離をしようと決めた時、押し入れや戸棚などの普段は見えていない部分に手をつけることになります。
その時に出てきた物は、購入当時の自分の趣味や思いの反映です。当時は魅力的に思えたものでも、今の自分が見たら案外そうではないかもしれません。
このように、断捨離は『過去の自分の思考を振り返る』という効果があり、自分の内面や気持ちを整理するきっかけになります。
部屋に数年前から同じ物がある場合、改めて振り返ってみると今の自分の趣味とは合っていないということは意外とあるものです。
思い切って断捨離を行うことで、1度自分をリセットしてみてはいかがでしょうか。
無駄遣いが無くなる
断捨離をすることで所有物がきちんと把握できるため、類似品を購入することがなくなります。
同時に、物を捨てていくことで「似たようなものを不要だと捨てた」という経験が蓄積され、物に対する執着心も薄れていくでしょう。断捨離の『離』は、物に対する執着心を断ち切る『離行』というヨガの言葉が語源になっているともいわれています。
無駄遣いがなくなれば、その分のお金は他のことに回すことができ、生活が今よりも豊かになる可能性が高くなるでしょう。
痩せる
断捨離と体型は一見無関係に思えるかもしれませんが、実は思わぬところで影響を及ぼしています。
散らかっている部屋と片付いている部屋であれば、誰でも片付いている部屋の方が良いでしょう。それでも部屋が散らかるのは、散らかっている現状に慣れてしまい、自分を客観的に見ることができていない可能性があります。
また、床に物が散らかっていては、その分動くのが面倒になるでしょう。そして手の届く範囲に物を置くようになり、ますます散らかってしまいます。安易な買い物は、それがストレスの発散方法となってしまっていて、自分の抑制がうまくできていないケースが考えられるのです。
自分を客観的に見つめ直し、自分自身の欲望や習慣をコントロールできるようになれば、必然的に自己管理が行えるようになり、生活習慣が改善されて、結果的に痩せることにもつながっていきます。
まとめ
部屋がなかなか片付かないという場合は、まず物を捨てることから考えた方が良さそうです。不要な物を処分することによって部屋の中に開放感が生まれ、衛生面や、物を探す際の効率面からの改善が見込めます。
物を捨てる際には「いずれ使うかも…」といった惜しむ気持ちはいったん忘れて、今使うかどうかでシビアに判断した方が良いでしょう。1年間使っていないものは捨てるなどの、明確な基準を決めるのもポイントです。
断捨離をすることで心身共にリフレッシュでき、新しい気持ちで生活の再スタートを切ることができるでしょう。