不要な物は片付けを面倒にし、やる気をそいでしまいます。汚部屋に悩む人は、まず溢れた物の要・不要を分別し、不要な物は潔く捨てることが重要です。物が多いと汚部屋化する理由や、物を捨てるコツ、捨てた後の収納について紹介します。

物が多いと部屋は片付かない

汚部屋と化した部屋の多くは、足の踏み場もないほどの物で溢れています。物が多い部屋が汚部屋化するのはなぜなのでしょうか。

掃除や片付けの手間が増える

物が多いと、何かにとりかかる前には必ず掃除や片付けの手間を挟まねばなりません。例えば机の上で作業する際に机の上が物でいっぱいなら、物を他所に動かして作業スペースを空けなければならないでしょう。

このように物に溢れた状態から部屋を片付けようとした場合、たくさんの物が片付けや掃除を邪魔します。物をどかす、片付ける、という作業を繰り返すうち、片付けがイヤになってしまうのです。

ホコリやゴミが溜まる

汚部屋では、置きっぱなし、出しっぱなしにしている物が多いのが特徴です。この状態を放置しておくと物にホコリやゴミが溜り、汚部屋化は一層深刻なものとなるでしょう。

片付けようとするたびにゴミやホコリが舞って嫌になる、片付けないからゴミやホコリがさらに溜まっていく…という悪循環が発生し、汚部屋から抜け出せなくなるのです。

汚部屋の片付けは物を減らすことから

汚部屋が進行する原因が大量の物にあるのなら、汚部屋化を食い止めるには、物を減らすことから始めなければなりません。

汚部屋を改善するために、物とはどのように向き合えばよいのでしょうか。

本当に必要な物だけ残す

汚部屋を片付けるには、『今あるものが本当に必要かどうか』を考える必要があります。物が多い人は、「勿体ない」「いつか使うかも」と考えてしまい、物を捨てられません。ところが、そのような捨てられない物を使う機会はほぼなく、現状ではただの『ガラクタ』と化しているのではないでしょうか。

本当に必要な物だけを残して生活すれば、収納しきれなくなった物が生活スペースを占拠することはありません。『1年以上使わなかった物は捨てる』『余計なストックは持たない』などルールを明確化し、ルールからはみ出た物は速やかに捨ててしまいましょう。

物が多いとストレスになる

部屋に物が多すぎると、精神的・物理的負担が増え、ストレスが増します。特に自分で片付けが必要であるとわかっている場合、『片付いていない部屋』を目にしなければならないのは、苦痛でしょう。ごちゃごちゃした空間では集中力も続きませんし、精神的負担はかなり大きくなります。

また、欲しい物がすぐに出てこない、使いたい物をすぐに使えないというのもストレスになります。カギが見つからなかったり財布が見つからなかったりということを日常的に繰り返せば、普段の生活そのものに疲れを感じるようになるでしょう。

捨てにくい物を処分する方法

汚部屋を防ぐには必要な物だけを残すのが重要ですが、なかには『物を捨てる』ことそのものが苦手な人もいるでしょう。必要な物だけを残し、『捨て上手』になるコツをみてみましょう。

いつか使うかもはNG

物を捨てられない人が考えがちなのが「いつか使うかもしれないからとっておこう」というものです。しかし前述のとおり、ほとんどの場合その『いつか』がやってくることはありません。

現在使っていない物は潔く処分し、今必要な物だけで暮らすように心がけましょう。

着ない服や使っていないバッグは捨てる

特に女性に顕著ですが、自分の体型が変わる前の服や昔流行したバッグを大切に持っている人がいます。また痩せたら着たいから、とても高価だったからなど『過去』に執着し、物を捨てられないのです。

服やバッグには流行があり、現在着ない服は将来も着ることはありません。流行が巡るとはいいますが、シルエットやパターンはアップデートされているため、実際に着れば「ダサい」といわれるかもしれません。

服やバッグは、使わなくなった時点で処分するのがベストです。

思い入れのある物も手放す

子供の頃大切にしていたぬいぐるみや制服など、物に思い出が詰まっている場合、処分するのは困難です。無理に処分しようとしてもうまくいかないため、「今日こそやろう」と前向きな気分になった日が、整理整頓のタイミングといえるでしょう。

また、整理していてもやはり大切と思えるなら、すぐに処分する必要はありません。ただし、残す以上は手の届くところでしっかりと管理することが重要です。毎日見たり触ったりして心のしがらみがなくなれば、思い入れのある物も自然と手放せるようになるでしょう。

写真やデータで残す

大切な物を処分する際は、写真やデータで残しておけば、いつでも見られます。「捨ててしまったらもう見られない」と思うと踏ん切りがつきませんが、「見たい時にいつでも見られる」と思えば、処分する際も気が楽になるでしょう。

保留箱を作り期限を決めて判断

要・不要な物を分別していると、どうしても判断に迷う物が出てきます。そんな時は無理に捨てずに、『保留箱』を作りましょう。

保留箱には、要・不要の判断をしかねるものを入れ、捨てる・捨てないの判断を保留します。ただし入れっぱなしでは片付かないので、『〇〇日まで』と期限を設けることを忘れないようにしましょう。

物を減らすには思い切って捨てることが重要ですが、後で後悔しないことも同じくらい重要です。「捨てなければよかった」という思いが強く残れば物を捨てるのが怖くなり、『捨てられない人』になってしまうかもしれません。大切な物は時間をかけ、納得した上で処分することが重要なのです。

汚部屋の片付けココに注意

汚部屋化を防ぐには、片付けやすい部屋を作ることが重要です。汚部屋の片づけで注意したい収納のコツを紹介します。

収納を増やさない

汚部屋の片付けで気を付けたいのが、収納道具を増やさないことです。物が多い人ほど、収納道具を買い増して物を収めようとします。ところがこの方法では物の全体量が減らないため、いつまた汚部屋化するかわかりません。

まずは物の量を見直し、今ある収納に収まらない物は潔く処分しましょう。収納を増やすのではなく物を減らすことで、室内はすっきりと片付きます。

散らかりにくい収納に変える

汚部屋化の原因の1つは置きっぱなし、出しっぱなしにあるというのは前述のとおりです。置きっぱなし、出しっぱなしの部屋ほど動線や使い勝手を考えた収納が成されておらず、行き当たりばったりに物が詰め込まれています。

まずは物の出しやすさ、しまいやすさを意識した収納を心がけましょう。具体的には、よく使う物ほど手が届きやすいよう手前に置いたり、使用頻度の低いものを奥や手の届きにくい場所に置くようにします。こうすることで『必要な物を出すのに不要な物をどける』必要がなくなり、物の出し入れがスムーズになるのです。

使いやすさを意識した収納をすることで『出した物はすぐしまう』という片付けの基本が徹底しやすくなり、散らかりにくい部屋になるでしょう。

まとめ

汚部屋化を防ぐ最大のポイントは、『物を増やさないこと』です。物が多い事によるストレスは思いのほか大きく、片付けのモチベーションも下がってしまうでしょう。

まずは徹底的に不要な物を排除し、本当に必要な物だけを残します。大切な物はとっておいても構いませんが、目につく場所において、しまい込まないようにすることが重要です。

また、収納では使いやすさを考えて物を収めると、散らかりにくい部屋になります。どこに置いたら使いやすいか、しまいやすいかをまず考え、適当に物を押し込まないようにしましょう。

少し気を付けるだけで部屋はぐっと使いやすくなり、散らかりにくくなります。