部屋が汚いと、衛生面が原因で起こる病気や、生活習慣病など様々な弊害が発生する可能性があります。そうならないためにも、部屋を片付けて清潔な状態を維持していきましょう。部屋の片付けをする手順や、綺麗さを維持するためのポイントについて解説します。

汚部屋を放置してしまう理由

見た目や衛生面など、汚部屋には様々なデメリットがあります。それにもかかわらず、清掃をせずに汚部屋を放置してしまう理由はなんでしょうか?

まずはその理由を知って、汚部屋としっかり向き合っていきましょう。

どこから手を付けたらいいかわからない

汚部屋の片付けはやることが多すぎて、まず何から手を付けたら良いのかわからないというケースが多いようです。

通常であればまずは天井などの高いところからの清掃から始めたり、大きな荷物の整理などからはじめるのがセオリーですが、足の踏み場もないような汚部屋では困難です。元々掃除の習慣がない人にとってはさらにハードルが高いように感じてしまいます。

親や友人などの知り合いに方法を聞けば解決するかもしれませんが「今の部屋の状態を知られるのはイヤだ」という気持ちを持っている人も多いでしょう。結果として状態はますます悪化していきます。

掃除のモチベーションがない

例えば机の周辺だけを5分間片付けをするならはすぐに着手できても、換気扇やフィルターの清掃はためらってしまう人も多いでしょう。

部屋の掃除も元から綺麗な部屋なら手間もかからないため、掃除に手をつけやすいのですが、散らかっている部屋の掃除に着手するには一定のモチベーションと、実行に移すためのエネルギーが必要になります。

さらに、掃除をして一時的に綺麗になったとしても、今度はそれを維持しなければなりません。掃除の習慣が無い人や仕事が多忙な人にとって、綺麗な状態を維持していくというのはとても困難でしょう。

またすぐに散らかってしまうのを目の当たりにして、掃除自体を無駄だと感じてしまい、以降の掃除に対するモチベーションが下がってしまうのです。

掃除をはじめるきっかけは?

モチベーションが低く、どこから手をつけて良いかわからない場合には、まず掃除をはじめるきっかけについて考えなければなりません。

モチベーションを作るための方法と、掃除をしないことで起こるデメリットを知ることできっかけを作っていきましょう。

綺麗になった部屋を想像する

マラソンでも、漠然と走るよりゴールがあった方が走るモチベーションが上がるように、人は明確な目標があった方が行動に移しやすいものです。

片付けを行うために、明確なゴールをイメージしてみましょう。

例えば本屋に行って、インテリアの本を見てみれば、現状の部屋とはかけ離れた、おしゃれな部屋の間取りがたくさん掲載されています。

心地の良さそうなソファ、広々とした空間、その中にいる自分の姿を想像してみましょう。そして、自分が部屋を片付けて、そういった空間に近づけるイメージをしてみてください。

さらに、そのイメージを絵にしてみる、良い点をリスト化してみるなどして、より綺麗な部屋を明確にしていくと、モチベーションの向上につながりやすくなります。

汚部屋のデメリットを知る

今度は、別のアプローチを自分に対して行ってみましょう。具体的には、汚部屋を放置していたらどうなるのか、そのデメリットを知ってみてください。

不衛生な汚部屋には、それに伴う様々な弊害があります。

まず考えら得るのは、ダニやゴキブリなどの害虫の発生です。食べ滓が付着したカーペットや、干していない布団にはあっという間にダニがわきます。

ダニは人間の血を吸い、刺された場所がかゆくなる他に様々な病気を併発する可能性があり、ゴキブリは雑菌だらけなので、部屋に発生すれば衛生的とは言えません。

またカビや雑菌による健康被害、埃によるアレルギーの併発など、汚部屋は部屋主にさまざまな健康被害をもたらす可能性があるのです。

やる気だけで始められないときは理由を作る

モチベーションやきっかけを作るだけでは、なかなか始められない場合もあります。

そんな時は、掃除をせざるを得ない理由を用意してみましょう。次のような理由を作ってみるのがオススメです。

友人を招く予定を入れる

ホームパーティーや遊ぶ約束など、家に友人・知人を招く予定を立ててみてはいかがでしょうか?

部屋に人が訪問するとなれば、片付けをせざるをえないでしょう。だらしのない人間だと思われたくありませんし、綺麗な部屋で楽しい時間を過ごしたいと考えるからです。

明確な日時を決めておくのもポイントです。期限が設けられれば、必然的に片付けをするために本気になるでしょう。

定期的に部屋に人を呼べば、室内の状況を維持する習慣を身につけることも可能です。

引っ越しをする

片付けが自発的に困難な状況であれば、思い切って引っ越すという方法もあります。

荷物をまとめなければなりませんし、汚部屋のまま家主や仲介会社に引き渡せば、原状回復やハウスクリーニングに多額の費用を請求されてしまうでしょう。

そうならないために、引っ越し当日までにスケジュールを立てて、片付けや荷造りに着手せざるを得ません。

そして新居に住めば、現状の住まいから心機一転して、新しい生活にチャレンジできます。現状の汚部屋からはじめるよりも清掃の難易度は下がり、習慣化するのも簡単になるでしょう。

掃除の手順1

それではいよいよ、汚部屋を掃除する際の手順を見ていきましょう。どんなことから着手すれば良いか、具体的なポイントを解説します。

残す物と捨てる物を仕分けする

部屋の中が散らかっている1番の原因は、スペースの許容を越えた物量です。

清掃をしたり、家具を動かしたりするためにも一定のスペースは必要ですので、まずは残すものと捨てるものの仕分けからはじめていきましょう。

明かなゴミであれば捨てるのに悩みませんが、服などの日用品は判断に困るところです。そこで、捨てる・捨てないの明確な基準について定めておきましょう。

  • 1年以上使用していない
  • 類似品・同一品がある
  • 他で代用がきく
  • 傷んでいる

上記にあげたものは、思い切って捨ててしまいましょう。「後で使うかもしれない」と取っておくのは厳禁です。ゴミ袋と空き箱を用意して、手にしたものは必ずどちらかに分類するようにしてください。

まずは小さなスペースから始めるのがオススメ

足の踏み場もないような状態では、一時的に物を置いておくことも、立つこともままなりません。

まずは小さな範囲から掃除を初めていくのがオススメです。特に入り口に近い方のスペースは早めに片付けをしていきましょう。

入り口を片付ければ、まずそこを処分品を置くスペースとして活用でき、集めた処分品をすぐ家の外に運べるようになるからです。

そして部屋の真ん中、奧や端のスペースへと移していくと、片付けをスムーズにできます。

わかりやすい大きなゴミを処分する

掃除をする上で可燃ゴミ・不燃ゴミなどにカテゴリーされる物も多く出てきますので、ゴミは率先して処分していきましょう。

特に大きなゴミは優先的に処分しましょう。掃除の邪魔になるだけでなく、粗大ゴミになると自治体に処分を依頼し、回収日を決めておく必要がでてきます。

年末年始の掃除シーズンでは、回収が混み合って10日以上先になることもあるため、粗大ゴミがある場合は処分を優先しましょう。

掃除の手順2

ゴミや残すものの分別などの下準備が終わったら、本格的な片付けを行っていきましょう。手順は次の通りです。

残す物を収納、整理整頓する

処分品と残すものの分別が終わった後は、残すものを適切な場所に収納していきましょう。

食器は食器棚へしまい、郵便物や書類は期限や重要度に分けて分類していきます。洋服は床に置いてはいけません。服を床に置く習慣は部屋が汚れる主な原因の1つなので、ラックにかける、タンスにしまうなどしましょう。

物ごとに使いやすい場所を定め、今後は同じ場所にしまう習慣をつけます。収納場所を決めることによって、改めてレイアウトについて考えると共に、何かを購入する時にも重複している品物はないかといった把握がしやすくなるでしょう。

物が無くなった場所を清掃する

片付けがある程度終わって床が見えるようになったら、清掃に着手しましょう。

清掃の基本は「上から下へ」です。床や低い位置を先に掃除をしても、後から天井や壁を掃除すれば埃が落ちてきて2度手間になってしまうからです。

天井や壁の清掃を先に行い、それから床に掃除機をかけ、拭き取り作業をしていきます。

モチベーションを維持する方法

汚部屋の掃除は半日から、場合によっては数日に及ぶかもしれません。途中でやる気がなくなってしまい、妥協してしまうケースも少なくはないでしょう。

最後までやり遂げるために、モチベーションをキープする有効な方法をいくつか紹介します。

ご褒美を設定する

掃除が終わったら美味しい物を食べる、レジャー施設へいくなどのご褒美を用意してみましょう。

終わったら良いことが待っているとわかっていれば、モチベーションもあがります。

金銭面で大きなご褒美が難しい場合は、小さなものでもかまいません。アイスを食べる、夕食のグレードを少しあげるといった些細なものでも、十分です。

自分の行いに対し、きちんと報酬があることを認識することが大切になります。

好きな音楽をかける

片付けは基本的に、作業者にストレスがかかります。途中でイヤになって放棄しないために、好きな音楽をかけてみてはいかがでしょうか?

音楽に集中すればストレスも軽減できますし、作業効率もあがります。音楽が終わるまでにこの作業は終わらせる、といったタイマーとして活用することもできるでしょう。

掃除のテンポをあげるためにも、リズムに乗りながら体を動かせるテンションの高い選曲が良いでしょう。

記録写真を撮り達成感を得る

人間のやる気は、基本的に長続きはしません。やる気を維持するには達成感が必要です。

ダイエットであればいつまでも体重が変わらなければ挫折してしまうでしょう。しかし、定期的に体重を計測し成果がきちんと出ていれば、続けていこうという気にもなります。

部屋の片付けも同様で、清掃前の部屋と清掃途中に定期的に写真に残すことで、部屋が確かに綺麗になっているという痕跡と達成感があった方が、やる気を維持できるでしょう。

ダイエットでは痩せないこともありますが、掃除は目に見えてと成果として表れるので、おすすめの方法です。

自力では無理なときはどうする?

整理整頓が苦手という人や、時間が取れずに自分1人で片付けを行うのは難しいという人もいるでしょう。

そんな時は、第三者の力を借りるのも有効な方法です。

家族や友人に手伝ってもらう

気心の知れた家族や友人に手伝ってもらってみてはいかがでしょうか?共同作業という形を取ることで、作業を途中で投げ出すことがなくなります。自分の都合で人の手を借りているという責任感が、精神的にも後押しをしてくれるはずです。

重いものの処分や分担作業も、複数で行えば1人でやるよりも数倍効率的に行うことが可能です。終わった後に一緒にご飯を食べに行くといったご褒美も用意しておけば、モチベーションの向上にも大いに貢献してくれるでしょう。

もちろん、手伝ってくれたことへの感謝やお礼も忘れないように。

プロの力を借りる

個人での片付けがどうしても困難な場合は、片付けを代行してくれる業者を利用するという方法もあります。

片付け業者は、汚部屋の片付けや遺品整理、不要品の回収など様々な片付けを行っているスペシャリストです。素人が行うよりも短時間で、細部まで行き届いた片付けをしてくれます。

自分でする場合は、時間やモチベーションの問題もそうですが、道具の用意や廃品の処分などやることが山積みです。そういった問題を一緒くたに引き受けてくれるのはとても助かります。

また、直接片付けをするだけではなく、収納方法などを助言してくれるプロのアドバイザーもいますので、自分で片付けのノウハウを得たい場合はそちらを利用してみてはいかがでしょうか?

汚部屋に戻らないことも重要

せっかく綺麗にしたのに時間が経ったらまた元の部屋…では意味がありません。片付けをしたら、綺麗な状態を維持することも重要です。そのためにできることをしていきましょう。

掃除の習慣を身につける

人間は、環境の変化に適応しやすい生き物と言われています。最初は苦痛に感じる行動でも、ある程度継続していると、それが苦もなくできるようになり、逆にしなければ物足りないように感じるでしょう。散歩や読書などのように、掃除も習慣化することが汚部屋に戻さないためのポイントです。

どのように習慣化していくべきか、いくつかポイントを紹介します。

掃除の日を決める

空いた時間に掃除を使用と考えていると、結局やらないことが増えてしまいます。そこで、毎週水曜や10日ごとなど、掃除の日を決めてしまうというのも有効です。

ただ、習慣化のためにはあまり間を開けるのは好ましくありません。脳に「これは特別なことではなく、日常作業の一環だ」とインプットさせるために、特に習慣化するまでの最初のうちはコンスタンスに行うことをオススメします。

1週間に1度は本格的な掃除をする。そして1日のうちでも10分程度、身の回りの軽い掃除をするといった感じで、掃除を日常に取り入れていきましょう。

やることリストを作る

掃除には様々な種類がありますので、リスト化してみるのも有効です。

例えば周辺清掃や床の掃除は1日1回行う、食器棚やキッチン周りは週に1回、換気扇は月に1回などといったように、作業量と比例してタスク管理をしてみましょう。

To doリストなどのアプリを使うと、管理がさらに楽になります。行った作業にチェックを入れるなどして達成感や現在の状況を可視化していくと、一目で状況がわかるようになります。

物を買わない、不要なものは捨てる

部屋が汚れる1番の原因は『部屋の中の物が増えること』にあります。物が増えれば管理も大変になっていきますし、スペースも圧迫してしまうのです。

服を床に脱ぎ捨てたりなど、ちょっとした怠惰が習慣化されて、やがてそれが汚部屋へとつながっていきます。

そうならないためにも、安易に物を買わないことが大切です。「本当にそれが自分にとって必要なのか?」を考えて買い物をしましょう。衝動買いをしないために、初見では絶対に購入しないというルールを決めておくのも有効です。

また、月に1度程度でいいので、定期的に部屋の中をチェックして、不要なものは捨てるという習慣を作っていくのも良いかもしれません。

まとめ

汚部屋を綺麗にするには一筋縄ではいきません。要るものと要らないものの分別や、その後の配置などをしっかりと考えていきましょう。また、片付けをするきっかけ作りや、作業中のモチベーションを保つ工夫をするのも片付けをする上での重要なポイントです。

綺麗な部屋に住んだ方が気持ちも良いですし、心身の健康にも大きく影響します。再び汚部屋に戻さないためにも、片付けが終わった後も安心せずに、掃除を習慣化していきましょう。