片付けてくれない夫に片付けさせたい、と考えている人は多いでしょう。何度言っても聞かない、言う度に喧嘩になる、という人は夫の気持ちを理解することから始めてみてはいかがでしょうか。片付けられない夫と話し合う際のポイントやコツを紹介します。
片付けできない夫に悩む人は多い
一緒に暮らしているなら、片付けは妻だけではなく、夫の問題でもあります。夫婦で協力して片付けや掃除をしなければ、部屋は綺麗にならないでしょう。
ところが、夫が片付けできない場合、片付けや掃除の負担はすべて妻にかかってしまいます。片付けできない夫に悩む妻が抱えているのは、どんな問題なのでしょうか。
掃除が理由で喧嘩になる
「片付けて」という一言がきっかけで、夫婦喧嘩になることは珍しくありません。妻は夫のだらしない態度に腹を立て、夫は妻の態度や口調が癇に障ります。
このように片付けが喧嘩の原因となるのは、お互いの価値観にずれが生じているからです。妻は、来客や見栄えを気にして部屋を片付けようとする一方で、夫は自分が寛げればそれでいい、と考えているのかもしれません。
『片付け』に対する共通項がないために、お互いの考えが理解できず、喧嘩になってしまうのです。
片付けや掃除をしない
そもそも、夫が片付けや掃除の必要性を感じていないなら、わざわざ自分から片付けることはありません。夫側からすれば、家にいるのに動きたくない、休みたいなど色々な思惑があるのでしょう。
この時夫には、妻を気遣おうという考えが浮かばないため、妻だけに掃除や片付けの負担を押し付けてしまうのです。
物を捨てられないので片付かない
夫が『捨てられない人』の場合、汚い部屋は一向に片付きません。夫婦とはいえお互いの持ち物を勝手に処分するわけにはいきませんから、夫がうんと言わなければ、どんなゴミも動かせないでしょう。
特に夫がコレクター気質の場合は物が増えやすく、妻の不満はどんどん大きくなってしまいます。物を増やしてばかりで減らせない夫への不満は募り、注意する口調もきつくなってしまうでしょう。
家事を押し付けられストレスが溜まる
一般的に「掃除も片付けも大好き、家中の掃除や片付けは全部自分でやる」という人はあまりいません。どちらかというと「掃除は好きではない」と答える人の方が多く、仕方なく片付けているという人がほとんどでしょう。にもかかわらず片付けや掃除を、妻だけに押し付けられるため、妻はストレスが溜まってしまうのです。
男性の中には『家事は女性がやるもの』という考えを持つ人はいまだに多く、このような人は女性が片付けることを当然と思っています。
妻からすれば、夫が片づけの大変さを分かってくれない、片付けに協力してくれないということが、何よりも大きな負担となっているのです。
片付けできない原因を特定しよう
注意すれば喧嘩になる、かといって黙っていればストレスが溜まる…という場合は、夫がなぜ片付けできないのかを考えてみましょう。夫の『理由』がわかれば対処方法も見つかり、『片づけられる夫』に変えられるかもしれません。
片付けられない夫には、どんな理由があるのでしょうか。
必要性が分かっていない
夫は妻が髪型を変えたとき、すぐに気付いてくれるタイプですか?妻の変化にも気づかないような無頓着な男性なら、そもそも部屋が汚い、片付いていないと思っていない可能性があります。
部屋が綺麗になろうが汚れようが頓着しないので、妻が「片付けなければ」と焦る気持ちが理解できないのです。
発達障害などが原因の場合も
本人は片付けの必要性を分かっているのに片付けできない場合は、発達障害を疑った方がよいかもしれません。
発達障害の中でも『ADHD(注意欠陥・多動性障害)』は、注意力がない、衝動的、落ち着きがないという特徴があります。片付けは集中力や注意力が必要ですから、この症状がある人は片付けが困難になるでしょう。
ADHDは脳の神経伝達物質が安定して機能しないために発症すると考えられます。本人の意思でどうにかなる問題ではないので、気になる症状がある場合は、速やかに専門医に相談しましょう。
そして、もしも夫が発達障害だと診断された場合は、『片付けできない夫』を受け入れてあげなければいけません。片付けできないことを個性の1つとして理解し、出来る事から手伝ってもらいましょう。
具体的な解決策
「片付けて」と言い続けるのもストレスが溜まるものです。夫自ら率先して掃除や片付けを始めてくれれば、妻としては随分気分が楽になります。
片付けをしない夫を片付けさせるにはどうすればよいのでしょうか。
片付けの必要性を理解してもらう
前述したように夫が『片付けの必要性を理解・意識していない』場合、まずは部屋の状態に気付いてもらわなければなりません。汚い部屋は居心地が悪い、綺麗な部屋は気持ちいいということを気付かせ、綺麗な部屋にするにはどうすべきかを考えてもらうのです。
まずはちょっとした小物を整理したり、使いやすそうな収納道具を夫と一緒に選びに行ったりしてはいかがでしょうか。そして片付ける度に「綺麗になった」「片付いていると気持ちいい」を繰り返し、『綺麗な事は良い事』と刷り込みましょう。コツコツと続けていれば、やがては夫も片付けを意識するようになるはずです。
夫が片付けの必要性や大切さを感じるようになれば、片付けについての話し合いもスムーズに行えるようになるでしょう。
片付けの習慣をつけさせる
片付けない夫には、『片付ける』意識を刷り込み、習慣化してもらいましょう。夫が片付けないからと諦めていては、いつまでたっても片付けは妻だけの仕事になってしまいます。
何かを始める前は必ず一通りグッズを揃えたり下調べしたりしてから、という『物事はまず形から入る』夫の場合は、『助言を求める』のが有効です。
片付けの仕方や整理術などについて意見を求め、片付けに興味を持ってもらいましょう。このタイプは興味がある事には積極的に関わってくれるので、気分をのせることが重要です。
また、頼んだ事は何でもイヤ、というような夫には、「手を貸してもらえると嬉しい」という気持ちを伝えましょう。一緒に片付けをしてくれる度に「ありがとう」と感謝の言葉を口にすれば、少しずつ一緒に片付けてくれるようになるかもしれません。
ここに気をつけよう
夫にも片付けや掃除に参加して欲しいと思うなら、まずは夫と話し合う必要があります。とはいえ「片付けて」ばかりでは夫もうんざりしてしまい、話し合いは平行線のままでしょう。
夫と片付けについて話し合う時は、お互いの考え方の違いを理解し、「こうして欲しい」という希望を明確にしておくことが重要です。
男女の考え方の違いを理解し話し合う
生まれも育ちも異なる人間同士が暮らしているのですから、片付けや掃除への考え方が違って当たり前です。男性、女性という性差もありますし、妻と夫では『片付けなければならない』と感じるレベルにも差があることも考えられます。
話し合いをする際はお互いの価値観をすり合わせ、お互いが気持ちよく過ごせるラインを見つけましょう。
やって欲しいことを明確にする
夫に掃除をお願いする際は、「お風呂を掃除して」だけでは不十分です。「浴槽だけじゃなく、風呂桶もお願い」と細かく指示を出しましょう。
日常的に掃除する妻にとっては当たり前の事も、たまにしか掃除しない夫にはわかりません。頑張って掃除した後に「ここもあそこも洗ってない」などと文句を言われれば、手伝おうという気持ちも失せてしまいます。
やって欲しい事は細かく伝え、掃除の後は必ず「ありがとう」を伝えれば、お互いが気持ちよく過ごせます。
まとめ
夫が片付けをしない家では、妻の負担が大きくなります。片付けをしない夫にイライラして夫婦喧嘩が増える前に、夫にも片付けに参加してもらいましょう。
片付けに乗り気でない夫には、片付けの必要性や大変さを伝えます。夫が少しでも片付けるようになってくれれば、あとはそれを習慣化するだけです。掃除の雑さや曖昧さには目をつむり、まずは片付けに参加してくれたことを評価しましょう。