実の親にするのと同じように配偶者の親に注意できる人は、あまりいません。特に片付けはデリケートな問題なので、不用意な言葉は良好な関係を破綻させる恐れもあります。義実家の片付けについて、義父母とはどのように話し合えばよいのでしょうか。
義実家の片付けはデリケートな問題
自分の実家ではなく配偶者の実家が物で溢れている場合、自分の立場から「片付けてください」とは言いにくいのが現状です。とはいえあまりに義実家が汚いと訪問するのが嫌になり、顔を見せに行くのもストレスを感じてしまうでしょう。
なぜ義実家の片付けは『デリケートな問題』となってしまうのでしょうか。
立場的に話題にしにくい
実際にそこで育った人間ならいざ知らず、自分が生まれ育ったわけでもない家を「片付けてください」とは口に出しにくいものです。もともと義父母とは、配偶者を介して繋がっていて、環境や生活習慣も異なりますので、普段から義父母とのやりとりに気を使う人も多いでしょう。
「片付けてください」と口に出すことは、『家が汚い』と暗に伝えているようなものです。義実家との間に余計な波風を立てたくない身としては、片付けについて口にしにくいのは当然ですね。
私物の片付けはプライバシーに関わる
義実家にある物はすべて義父母の所有物です。片付けには義父母のプライバシーがあるため、義実家の片付けはさらにデリケートな問題になります。私物について他人が口を挟むのはただでさえ難しいうえ、それが義父母の物ならなおさら口にしにくく感じるでしょう。
一見ただのゴミにしか見えない物も、義父母にとっては大切だったり捨てたくなかったりする場合があります。「自分の物だから触るな」と言われれば、撤去するのは困難かもしれません。
トラブルなく片付けを手伝う方法は?
義実家だからと片付けを放棄していては、やがては義父母の暮らしにも悪影響が出るかもしれません。なるべく穏便に片付けを進めるには、どのようにしたらよいのでしょうか。
目的をしっかりと伝える
スムーズに片付けを行うには、なぜ片付けが必要なのかを義父母にきちんと伝える必要があります。まず、次のようなポイントを指摘してみましょう。
- このままでは危険
- 老後の不安
- 綺麗な家がいかに心地よいか
家が汚いとダニやカビが繁殖し、健康を害するおそれがあります。また、溢れた物が落下してきたり物に躓いて大けがをしたりする可能性も指摘しましょう。さらに、年をとって体が動かなくなった時のことも想像してもらいます。片付けをやるなら早いうちがよいこと、今なら間に合うことを分かってもらうのです。
家が綺麗なら健康被害も老後の片付けも心配する必要はありません。広いスペースを使って快適に暮らせるうえ、子供や孫も集まりやすくなります。汚い家にはデメリットしかないことを強調して、片付けに前向きになってもらいましょう。
みんなが目標を共有する
義実家の片付けを成功させるうえで重要なのは、片付けに関わる人間すべてが同じ目標を共有することです。
ただし、この時注意したいのが、『みんなが気持ちよく暮らせるようにする』『安全に暮らせるようにする』などぼんやりした目標はたてないことです。目標が曖昧だと目指すゴールがわかりにくく、片付けの終わりが見えません。
『玄関の物を無くす』『廊下に積まれたものをすべて撤去する』など目標を具体化し、各々の片付けのイメージを統一しましょう。
片付けまでの流れ
「片付けをやる」と決めた場合、『どのように片付けを進めていくか』を全員で確認しておくとスムーズです。片付けの流れも把握せずダラダラと作業を続けても、効率よく片付けを終わらせることはできません。まずは掃除のスケジュールを決め、決められた手順に従って全員で作業していきましょう。
掃除のスケジュールを決める
片付けを始める前に、まずどこから掃除を始めるかを具体的に決めておきます。皆で1カ所を集中して片付け、そこを完全に片付けてから次の場所に移動するようにしましょう。各々がバラバラに作業するのではなく集中してまとまることで、作業効率はグンとアップします。
不要な物を破棄する
片付けで最も重要なのは、家を占拠していた不要物を廃棄することです。しかし、何が必要で不要かは出してみないとわからないため、まずは掃除する部屋の物をすべて外に出します。この場合、押し入れやタンスなどがあるならば、その中の物も全て出しましょう。
全て出し終えたら速やかに『要』『不要』に分類し、不要とされた物はどんどん処分していきます。迷う物は基本的に『不要』と判断し、処分する方に回しましょう。高価な物・価値がある物以外は捨ててしまった方が、後々の片付けが楽になります。
整理整頓と清掃
部屋に必要な物だけが残ったら、今あるスペースを利用して収納します。綺麗に整理整頓するコツは、残った物をカテゴライズし、同じカテゴリーの物をまとめて収納することです。こうしておけば物の管理がしやすくなり、中途半端にものが増えていく心配がありません。
必要な物がすべて収まったら、最後は全員で清掃です。掃除は上のホコリやゴミから落としていき、最後に床面の掃除に取り掛かりましょう。こうすることで掃除の2度手間を防ぎ、効率良く片付けを終わらせられます。
スムーズに片付けを行うコツ
スムーズに義実家を片付けるには、その家に住んでいる義父母の協力が不可欠です。なるべく円満に片付けを進められるよう、義父母の気持ちを考えながら説得しましょう。義実家の片付けに取り掛かる際、気を付けたいポイントとは何なのでしょうか。
義理の両親の意見を尊重する
スムーズに片付けを実行するには、まず義父母の意見を聞き、尊重できるところはしてあげましょう。いくら義実家が汚いからといっても、頭ごなしに片付けを強要するのはNGです。
特に『片付ける』『捨てる』という言葉にマイナスイメージを持つ親世代は多く、ストレートに「片付けて」というのは要らぬ反発心を招きます。「綺麗にしよう」「使いやすくしよう」などプラスイメージのある言葉で義両親を安心させ、まずは片付けに良いイメージを持ってもらいましょう。
伝えにくいことは配偶者からお願いする
片付けを始めるうえで伝えにくい、言いにくいと感じることは、実子である配偶者にバトンタッチしましょう。義実家の片付けは義父母のプライベートな面にもかかわるため、他人では指摘しにくいこともでてきます。
今後も長く付き合っていくことを考えれば、表に立つのは配偶者にお願いした方が無難です。
体験ブログなどを参考にする
義実家とのやりとりに疲れたり、「なぜ自分ばかりこんなに苦労しなければならないのか」と落ち込んだりしたときは、同じような悩みを持つブロガーのブログをチェックしてみてはいかがでしょうか。
義実家が汚くストレスを感じている人は意外に多く、中には片付けの様子を『体験ブログ』として紹介している人もいます。それを見れば他の人がどのように義実家の片付けに着手し成功できたのかが分かり、「自分もやってみよう」という気持ちもわいてくるかもしれません。
まとめ
『物が多く、汚い義実家に行くのがストレス』という人は、配偶者と一緒に義父母に片付けを提案してみましょう。ただし、ストレートすぎると相手からの反発もあるので、配偶者の口から伝えてもらったり、言葉を慎重に選んだりするなど、必ず気遣いが必要です。
義父母の世代は物を大切にするあまり、不要な物を捨てられない傾向にあります。まずは不要な物のない暮らしがいかに快適か、散らかった家にはどんなデメリットがあるのかを伝え、片付けに前向きになってもらいましょう。