ゴミ屋敷を早く片付けなければならない理由や、ゴミ処理にかかる料金相場などをまとめました。自力で対応できる場合に用意する物から、業者にゴミ処理や片付けを依頼する場合にかかる費用相場についても紹介しています。

ゴミ屋敷は早急な解決が必要

家がゴミ屋敷になってしまた場合には、早急に解決しましょう。ゴミが溜まることで、心身への悪影響や、近隣に迷惑がかかることも多くあります。

大量のゴミが散乱していると、火災発生のリスクが上がります。人が住んでいる、住んでいないにかかわらず、ゴミ屋敷はそういったリスクとも向き合う必要があります。

心身への悪影響

ゴミ屋敷には、生ゴミも放置されているでしょう。放置された食べ残しや汚れた食器、飲みかけのドリンクは、臭いの原因です。積み重なったゴミの下に腐敗した生ゴミが埋まると、すぐに捨てることもできません。

不衛生な住居により体調を崩してしまうこともあるでしょう。また、ゴミが浴室やトイレ、洗面所を埋め尽くすと入浴や排泄が難しくなり、手を洗うことさえできません。

ゴミの問題だけでなく、定期的に掃除がされないと浴室やトイレも不衛生な状態になります。カビや排泄物による汚れで、病気を引き起こす可能性もあるでしょう。

近隣への迷惑

ゴミが家の中だけにあるとしても、近隣へ臭いが漏れ出すリスクはあります。窓を開ければ周囲にひどい臭いが立ち込めますし、換気扇や部屋のすき間からも臭いが漏れれば、近隣住民には大迷惑です。

また、外から見てもゴミがあふれている状況の場合、見た目の印象も悪く、周辺の治安にもかかわってきます。

臭いや外見がひどいときには、遅かれ早かれ近隣から苦情が出るでしょう。町内会や地域の行政担当から、家を片付けるよう指導されるケースも考えられます。

火災のリスク

ゴミが大量に置いてあると、火災が起こったときにすぐ燃え広がります。うっかりタバコの火を消し忘れて、火災が発生してしまうと、大きな問題です。

また、家の外までゴミがあふれている場合、放火による被害も考えられます。

火もほとんど使わないし、放火など起こらないないだろうと考えていても、ホコリへの引火も火災の主な原因です。

コンセントの周囲にホコリが溜まり、湿気が付着すると『トラッキング現象』が起こりやすくなります。コンセントの刃の間で起きた電流が原因で、湿気を含んだホコリが発火する現象です。

ゴミ屋敷は、自宅だけでなく近隣の家も危険にさらしてしまいます。

ゴミ屋敷を片付けるために必要な費用

ゴミ屋敷を片付ける場合、自分で掃除するのとプロに頼むのでは費用が変わります。ゴミ処理にかかる費用の他、部屋を清掃する道具も購入しなければなりません。

プロに頼んだ場合は、作業員の人件費が発生します。大型ゴミを出すだけでも地域のゴミ処理費用がかかるため、一定の費用は必要です。

ゴミ処理関連

一般のゴミは地域で定められたゴミ袋に入れ、分別すれば処分できます。しかし、大型ゴミは別途料金が掛かります。

粗大ゴミの処理費用は、自治体によって定められています。大きさやゴミの種別によって料金が変わり、エアコンや冷蔵庫などの家電は『リサイクル料』を支払わなければいけません。

地域のゴミ処理料金は1点につき数百円~3000円程度ですが、収集場所まで自分で運ぶ必要があります。持ち運べない場合は自治体によって引き取りに来てくれるケースもありますが、処理業者への依頼が一般的です。

壊れた家電や家具などが大量にあふれている場合は、ゴミ処理だけで多額の費用がかかります。

掃除道具等の購入費

部屋を掃除するために、箒やチリ取り、雑巾などの掃除道具が必要です。ビニール手袋や軍手などの消耗品や、洗剤も準備します。

ゴミを捨てるには、自治体が指定しているゴミ袋も準備しましょう。虫がわいている場合は、殺虫剤も欠かせません。

掃除に使う用具を一から揃えるだけで5000円程度は出費します。ゴミの量が多い場合は、大量のゴミ袋が必要になります。

プロに頼む際は人件費等もかかる

部屋の状態がひどく、大型のゴミも大量にある場合はプロに頼むのが一番です。しかし、その分人件費、車両費などが発生する場合があります。

1時間単位で作業員の人件費が設定されているため、事前に見積りで確認する必要があります。ワンルームでも、部屋いっぱいにあふれたゴミを処理するだけで、3~4万円の費用がかかります。

部屋が広い場合や、ゴミが大量になると費用が高くなるでしょう。

ゴミ屋敷を自分で片付けられる?

費用を抑えてゴミ屋敷を自分で片付けたい場合、状況をよく考えて対処できるのか考えてみましょう。自分が掃除しきれる広さなのか、大型のゴミはすべて持ち出せるのかなど課題も出てきます。

無理と判断した場合や、自分でできることだけ済ませた後は、プロに依頼しましょう。

自力で対応できる広さか

そもそも、自分が掃除できる広さなのか考えてみましょう。ワンルーム程度であればひどい状態でもどうにか掃除できますが、2階まである家ではかなり難しいでしょう。

せっかく片付けようと意気込んでも、途中で諦めてしまうレベルの広さの場合は、自分で片付けることはできません。

自力でゴミ屋敷の片付けをする課題

自力でゴミ屋敷を片付けるには、ゴミの処分や害虫駆除の問題があります。出たゴミをすべて処分できるのか、害虫駆除が適切にできるのかを考えましょう。

ゴミの処分

地域でゴミを引き取ってくれるといっても、突然100個以上のゴミを捨てることはできません。一般ゴミしか出ない場合でも、業者が回収できない場合もあるので、事前に問い合わせておきましょう。

また、大型ゴミの場合は、もちろん事前に自治体へ連絡が必要です。その上で指定された日と場所に運びます。

そもそも大型ゴミを家から運び出せない場合は、自力でゴミ屋敷を片付けることはできないでしょう。

害虫駆除と対策

虫が大量にいる場合は、家庭用の駆除剤では難しいでしょう。しかし、自力で駆除するには、ドラッグストアなどで手に入る殺虫スプレーや、くん煙剤を使います。

対策方法も市販の薬を使うことになるため、劇的な効果は望めません。あまりにも虫が多い場合や、目に見えない虫が気になるときはプロの業者に頼むことを検討しましょう。

プロの業者に頼むのが安心

家の中にゴミがあふれかえっている状態を短時間で片付けるには、プロの業者に頼むのが安心です。実績があり、自力で掃除するより綺麗になります。

掃除用具の準備やゴミ処分の依頼など、細かい手配も業者がすべて代行してくれます。片付け作業中は近隣に臭いや騒音が漏れないよう、配慮もしてくれます。

片付けの全作業をお任せ可能

業者に依頼するメリットは、すべての作業を任せられることです。事前に様々な確認を済ませれば、当日に自分ですることはほぼありません。

必要な物は捨てられないため、家主の判断が必要ですが、それ以外の作業は業者側で済ませてくれます。ゴミを片付けるだけでなく、部屋の中の清掃も業者に任せられます。ゴミをどけてみると床がカビだらけだったときでも、きれいに掃除をしてくれるため安心です。

細々とした手配が不要

出たゴミはどこに捨てればいいのか、そもそも大量のゴミを引き取ってもらえるのかなど、問い合わせや手配の必要はありません。業者に依頼すると、ゴミはすべて業者が処理してくれるでしょう。

自治体に大型ゴミの処分を依頼すると、連絡の他に金額分のシールを購入するなど、細かい手間がかかります。家の外に運び出す作業も必要です。

近隣への配慮も

近隣への挨拶が必要な場合や、なるべく周囲に気づかれないように作業を進めて欲しいなど、細かい配慮も相談可能です。

詳細を相談しながら都合のいい日程で作業を進めることができ、近隣への挨拶なども任せられることがあるので、手間もかかりません。また、周囲への臭いが立ち込めないよう、できるだけ素早く作業をしてもらえます。

業者を選ぶポイント

ゴミ処理業者は、日本全国に多数あります。似たようなサービスに見えますが、実際は業者によって違います。

個人で作業をしているような業者から、多くの実績を持つ業者までさまざまです。特に資格や免許を持っているかは、重要なポイントです。

公式サイトを見ただけではわからないこともあるため、これまでの実績や、業者が保有している免許の種類などを必ず確認が必要です。

実績や信頼性

利用前に、1年間の処理件数や、実際に利用した人の口コミなど、実績と信頼性がともなっているか確認しておきましょう。ゴミ処理は家の広さや捨てる物によって金額が変わるため、詳しい料金は見積りを出さなければわかりません。

料金は部屋やゴミの状況によって変わるので、同じ内容でも金額が変わってくることがあります。もちろん、驚くほどの安値の場合は注意しましょう。

ゴミ処理には、正しく処理するための費用がかかります。自治体に大型ゴミを出すだけでも費用がかかりますが、業者も同じように費用をかけてゴミを処分しているのです。

ゴミ処理費用と人件費、会社の利益分がなければ作業はできません。適正な料金を提示する業者を選びましょう。

必要な資格や免許を持っているか

ゴミ処理と部屋の片付けを行うには、資格が必要です。無資格で免許もない業者に依頼してしまうと、ゴミを正しく処分してくれないだけでなく、のちに行政から高額な料金を請求される可能性もあり、作業もきちんとしてくれないことがあります。

ゴミ処理に必要な免許は、『一般廃棄物収集運搬許可』と『産業廃棄物収集運搬許可』です。産業廃棄物は事業で出たゴミに限られるため、自宅で仕事をしていない限りは一般廃棄物収集運搬許可の免許を取得している業者を選択しましょう。

自宅にある家電や家具を引き取り、中古品として売るには古物商の資格も必要です。免許取得者であれば、不法投棄や知識不足によるトラブルもありません。

依頼前に必ず資格と免許の有無を確認しておきましょう。

業者に頼んだ場合の相場

業者にゴミ屋敷の片付けを頼んだ場合、費用は状況によって変化します。部屋の広さやゴミの量を確認してから料金が決定するため、最初に部屋の状況を伝えましょう。

電話やメールなどでは状況がわからないこともあり、実際に家に来て見積もりを取ることが一般的です。人件費とゴミ処理費、車両費を足した額がかかります。

費用は部屋の広さとゴミの量で決まる

民間業者にゴミ処理や片付けを依頼すると、まずは部屋の広さと実際のゴミの量を把握するところから始まります。ワンルームマンションや1部屋のみ散らかっている場合は、3万~5万円程度が相場です。

ゴミが多い場合、用意する車両が大きくなることから、同じ部屋の広さでも8万円程度まで値段が上がることがあります。

トラックを複数台用意することになれば、20万円以上の料金が相場です。

主な項目は人件費、ゴミ処理費、車両費

ゴミ屋敷を片付けるには、まず人手がいります。家主がゴミの分別をしていない場合、作業員が来て不要品を分別するところから作業が始まります。

分別自体は自分で行い、ゴミ袋に入れたとしても、トラックまでゴミを運び出すための人件費が必要です。また、当然ゴミ処理には費用がかかります。

業者に依頼した場合は、自治体でゴミを処理するより割高になります。軽トラや2トントラックを手配する車両費もかかります。

別途、出張費やオプション料金を設定している業者もいるため、必ず詳細な見積りを取りましょう。階段の昇降が必要な家や、トラックが入れず車両までの距離が遠い場合は料金が上乗せされることがあります。

地域ごとの相場を確認

ゴミ屋敷の片付けは、地域のゴミ処理業者に依頼します。地域によってある程度相場が決まっているため、住んでいる場所でどのくらいの費用が設定されているのか、確認しておきましょう。

相場確認には、ゴミ処理業者を一括で確認できるサイトなどが活用できます。

東京、神奈川の都心部が高いとは限らない

一般的に物価やサービス提供にかかる費用は都心部が高いと思われがちですが、ゴミ処理に関しては地域で大きな差はありません。

ワンルームで3万円、3DK以上では20万円が最低料金です。ゴミの量や必要な作業員の人数によって、料金は上乗せされます。

相場はあくまでも大まかな料金が記載されているため、それぞれの状況により金額は異なってきます。多少相場よりも余裕を持って予算を組みましょう。

また、業者によってかなり金額が違います。資格や免許もあり、信頼性の高いゴミ処理業者の中から、予算に合うところを選びましょう。

片付け費用を下げる方法

いくつかの業者に見積りを頼んでみたけれど、どうしても予算が足りない場合は片付け費用を下げる方法もあります。自力で処分する必要はありますが、自治体を利用したり、リサイクルショップなどで買取サービスを活用したりしてみましょう。

自治体のサービスを使ってゴミを処分

自治体では、指定日に回収場所へゴミを運びさえすれば、低料金で処分が可能です。燃えるゴミや資源ゴミは、住んでいるマンションなどが有料ゴミ回収に加入していない限り、自治体の回収です。毎週回収日が決まっているため、その点は注意しましょう。

あまりにも多い場合は相談が必要ですが、一般的な量なら回収してもらえます。大型ゴミも事前に連絡し、処分料を支払えばOKです。

大型のタンスやベッド、家電製品なども1点あたり数百円~3000円程度で引き取ってもらえます。人件費や車両費が請求されない分、民間業者に比べて料金は低めです。

買取サービスを利用

使える家電や家具は、買取サービスを利用しましょう。すべての物が買い取ってもらえるわけではありませんが、買って間もない物や需要が高い家電製品などは、買い手がつきやすく処分しやすいでしょう。

家の中に物がたくさんあるなら、売れるものを探してみましょう。お店に直接持っていくだけでなく、出張買取や宅配で対応してくれるところもあります。

地域のリサイクルショップや、ネット業者に相談してみましょう。エアコンや炊飯器、パソコンなどは買取できない場合でも無料で引き取ってくれる業者もあります。

ただし、壊れて動かない物や汚れている物は難しいです。先に買取や無料引取可能な物を処理してしまえば、その分ゴミの処理料金が低くなるかもしれません。

まとめ

自分の家がゴミ屋敷化してしまっているなら、早急に対策を考えましょう。放置しておくと健康や精神に悪い影響を与える可能性があります。

周囲にも多大な迷惑がかかり、火災のリスクも常にあります。自分ではそれほど散らかっていないと思っていても、周囲から注意を受けるレベルであれば、早めの対処をしましょう。

自分で対応できる程度なら清掃用品やゴミ袋を準備するだけで、片付けが開始できます。手に負えない状況の場合は、潔く業者に依頼しましょう。

部屋の広さとゴミの量によって料金は変化しますが、資格を持つプロに任せておけば安心です。