遺品整理に関していつか考えなければいけないと思いながらも、事前に用意をしておくというのはなかなか難しいものです。そしていざ身の回りに不幸があり、遺品を整理しなくてはならなくなった場合でも、何から手を付ければいいのかわからなくなってしまうことも。
そんな時の為に今回は、
- 遺品整理とはそもそも何を整理することなのか
- 遺品整理の料金相場や価格を決める要因
- 遺品整理業者の選び方
に関して解説していきますので、いざという時の為に参考にしてください。
遺品整理とは
遺品整理というのは故人の遺品を整理し部屋を綺麗にし、原状回復することを指します。よく誤解されがちですが、残されたものをゴミとして廃棄し綺麗にするだけでは「遺品整理」とは言いません。ゴミとして廃棄するだけなら誰でも出来る簡単な作業です。実際の遺品整理は遺品それぞれをしっかり仕分けし、処分していく作業です。
例えば車であれば車を売るなり、廃車手続きをしなければなりませんし、部屋の原状回復などに関してもただ清掃するだけではありません。
遺品整理の費用相場
遺品整理をするにあたってまず一番に気になるのが遺品整理の費用ではないでしょうか。遺品整理の費用によって依頼する業者なども変わってくるでしょう。
ただ遺品整理に関しては費用だけで決めてしまうのは心配な部分もあります。安ければ安い程良いということはありません。とは言っても費用相場がわからなければ、どれが安く、どれが高いかというのもわからないと思いますので、遺品整理の費用相場を以下にまとめています。
遺品整理業者に依頼した場合の費用相場
間取り | 料金相場 | 作業人数 | 作業時間 |
---|---|---|---|
1R・1K | 30,000円〜8,0000円 | 1〜2名 | 1〜3時間 |
1DK | 50,000円~120,000円 | 2〜3名 | 2〜4時間 |
1LDK | 70,000円~200,000円 | 2〜4名 | 2〜6時間 |
2DK | 90,000円~250,000円 | 2〜5名 | 2〜6時間 |
2LDK | 120,000円~300,000円 | 3〜6名 | 3〜8時間 |
3DK | 150,000円~400,000円 | 3〜7名 | 4〜10時間 |
3LDK | 170,000円~500,000円 | 4〜8名 | 5〜12時間 |
4LDK以上 | 220,000円~600,000円 | 4〜10名 | 6〜15時間 |
引越しなどでも同じですが、やはり部屋数が広くなればなる程費用は高くなってしまいますし、作業人数も増えるのでその分人件費がかかります。作業人数が多くても4LDK以上となれば6~15時間かかってしまうので、どうしても費用は高くなります。
あくまでこちらは相場ですが、この相場をあまりにも下回っている場合などは怪しい業者、何か罠がある業者だと疑った方が良いでしょう。
費用に幅がある理由
費用の相場を見て頂くとわかりますが、例えば1R・1Kの場合でも30,000円~8,0000円と5万円程の差があり、4LDK以上となると220,000円~600,000円と380,000円程の差があります。
この幅がある理由としては「遺品の量」・「分別作業の程度」・「部屋の階数・エレベーターの有無」・「トラック車両の距離」などの違いによるものです。単純に作業が簡単になればなる程費用は安くなり、1R・1Kの場合であれば最低料金が30,000円ということになります。
実際の料金が知りたい場合は見積もりを取りましょう
先述でも述べていますが、安すぎる遺品整理業者は何らかの理由がある可能性があります。
安いと思って依頼しても実際に遺品整理をしてもらうと何かしらの理由をつけられ結果的に高くなってしまうことも考えられます。
こうならないように、実際の料金が知りたい場合にはまず見積もりをしてもらいましょう。どれだけ優良な業者に依頼しても料金の幅は数千円や10,000~20,000円程度の幅ではないので、依頼してみると予想より大幅に高くなってしまうこともあります。
一軒家の料金相場について
上記ではあくまでマンションやアパートなどの費用相場を紹介しましたが、亡くなってしまった方が一軒家に住んでいたという場合も考えられます。一軒家の場合も部屋数に応じて料金は変わり、基本的には上記の費用相場と変わりません。
しかし、一軒家であれば1Rということはないので、最低でも3DK以上、150,000円以上はかかると言われています。
自分で遺品整理をする場合の費用相場について
現在遺品整理業者は多くありますが、亡くなった人が身内であれば自分の手で遺品整理をしたいと思う人もいるでしょう。もちろん自分でやる場合は業者に依頼するよりも安くなるというメリットもあります。
ただし、自分でやると言ってもどうしても費用はかかってしまい、自分で遺品整理をする際にも以下の料金がかかります。
間取り | 料金相場 |
1R・1K | 8,000円~20,000円 |
1DK | 10,000円~30,000円 |
1LDK・2DK | 15,000円~40,000円 |
2DK・3DK | 30,000円~50,000円 |
3LDK・4DK | 35,000円~70,000円 |
4LDK・5DK | 45,000円~90,000円 |
このように依頼するよりはかなり安くなります。
しかし、休日を返上して何日もかかる作業を自分だけでするのは現実的では無く、疲労が溜まって本業に支障が出ることもあります。
遺品の量を見て「自分で整理するのは難しい」と感じたら、まずは複数の遺品整理業者で見積もりを取って自分の地域の相場を知っておきましょう!
遺品整理の費用が決まる7つの要素
自分で遺品整理する場合も業者に依頼する場合も費用が決まる7つの要素というものがあります。この7つの要素によって費用は大きく変わってくるのです。では、その7つの要素がどのようなものなのか解説していきます。
この7つの要素を知っていれば業者に依頼する際にも安く済ませることが出来るでしょう。
処分する荷物の量
まず1つ目の要素として処分する荷物の量です。処分する荷物というのは粗大ゴミから小さなゴミまで多くあると思いますが、小さなゴミで処分できるものは出来るだけ自分で処分しておくと業者に依頼した際にも安くなります。
この程度であれば自分達でもできることなので、処分できる荷物に関しては自分達である程度片付けておいた方が良いでしょう。
買取可能な荷物の量
遺品整理業者の中には遺品を買い取ってくれる業者もあります。遺品整理業者に買い取ってもらうことで、遺品整理の料金から買取の値段を差し引いてもらうことが出来ます。
もちろん自分達で遺品を売りに行って、売った分のお金をそのまま遺品整理業者の料金にあてることも出来ますが、遺品を売りに行くだけでも量が多ければ困難ですし、結果的に売るのであれば遺品整理業者に買い取ってもらう為に多く残しておくのも良いでしょう。
処分する荷物の種類
例えば引越し作業などでも同じですが、処分する荷物の種類も費用に大きく関わってきます。単純に粗大ゴミと分類されるものは通常の処理でもお金がかかってしまうように費用が多くかかってしまいます。
また、粗大ゴミ以外の特殊なゴミなどに関してもやはり費用がかかってしまいます。
作業員の人数
部屋の広さや部屋数によって異なりますが、作業員の人数によっても大きく費用が変わります。単純に作業人数によって人件費がかかってしまうので、そこで費用が変わってしまうのは仕方ないことでしょう。
作業人数はほとんどが遺品整理業者が決めてしまう部分ですが、作業人数を最低限に絞ることが出来る遺品整理業者もあります。
作業日の混雑状況
こちらも引越しなどと変わらず、作業日や作業月の混雑状況によって費用は変わってきます。例えば引越しであれば4月~5月の引越しが集中する月などは費用が通常よりも何倍にもなります。遺品整理業者に関しては集中する月というのは特にありませんが、前もって依頼する遺品整理業者の空いてる日や月を確認しておくと良いでしょう。
部屋の広さ、立地状況
費用相場にも記載してある通り部屋の広さや部屋数の多さは費用を左右する大きな部分と言えるでしょう。部屋数が多ければ多い程、部屋が広ければ広い程作業人数も増えてしまうのでどうしてもその分費用はかかってしまいます。
また、立地によっても多少費用がかわり、依頼する遺品整理業者の会社からアクセスの遠い立地の場合などは交通費として費用が上乗せされることもあります。
オプションサービス
遺品整理業者によってはオプションがある業者もあります。主にオプションサービスとされているのが自動車などの廃車手続きです。こちらに関してはオプションサービスとなっている場合が多いです。
他にも業者によってオプションとなっているサービスや基本料金に含まれているサービスが異なってくるので何が基本料金なのか?何がオプションとなっているのか?その点もチェックした方が良いでしょう。
遺品整理の料金をなるべく安くするコツ4つ
自分でやるには時間がかかってしまい、業者に依頼すると今度は費用が多角なってしまいます。身内が亡くなった場合は葬儀の準備などもしなくてはいけないですし、あまり多くの時間を割くことは難しいでしょう。そうなると業者に依頼するしかなくなってしまいますが、業者に依頼する際に出来るだけ安くする4つのコツがあります。
自分で処分できるゴミはなるべく自分で処分する
ゴミは小さいゴミから大きいゴミまで自分で処分できるものは自分で処分しましょう。リサイクルできるものは他人に譲ったり、普通に捨てられるゴミであれば自分で掃除がてら捨てておくのが良いです。
ある程度大きいものでも壊して捨てることも出来ます。もしもそれを業者に頼んでしまうとそれだけでいくらか値段が高くなってしまいます。全てを業者任せではなく、自分で出来る範囲内の物であれば自分でやっておくのが良いでしょう。
3社以上の遺品整理業者で相見積もりを取る
遺品整理業者を頼む時には一つの業者だけではなく、いくつかの遺品整理業者に見積もりを出してもらいましょう。いくら安いとうたい文句をうたっている業者でも、他の会社と比較してみるとそこまで変わらなかったり、他の業者の方が安いなんてことはよくあることです。
また、つい検索でトップページに出る遺品整理業者に頼んでしまいがちですが、トップページに出るからと言って安いというわけではないので、いくつかに絞って相見積もりを取りましょう。
買取がありそうな家具、家電を綺麗にする
遺品整理業者では買取をしてくれる業者があることも解説しましたが、もちろん生活汚れなどがついたままでは高価な値段で買い取ってくれません。これは遺品整理業者に限ったことではなく、何か中古で売る際に綺麗にしておくというのは当たり前のことです。
使える家具や家電であればどんな状態でも買い取ってくれますが、綺麗な状態の方がやはり高価な値段になりやすいので、出来る限り綺麗にしておきましょう。
家具、家電はリサイクルショップに持ち込む
もしも遺品整理業者で買取不可のものがあればリサイクルショップで売るということも考えましょう。もちろんリサイクルショップに持ち込む際にも綺麗にしておくというのは必須です。買取をしている遺品整理業者の中には買取可能なものをリストアップしてくれている業者もいるので、前もってチェックしておくと良いでしょう。
更に楽器など専門の物がある場合は遺品整理業者で買い取ってもらうよりも、専門のリサイクルショップに売った方が高価な値段がつきやすいです。
優良な遺品整理業者の選び方7つのポイント
遺品整理を安く済ませる方法をここまでで解説してきましたが、遺品整理業者に頼む際には、どんな業者が優良な業者か?というのも重要なポイントです。
中にはかなり高額の費用をふっかけてくる業者もいるので、そういった業者に依頼してしまうと相場費用よりも費用がかかってしまうでしょう。
表示している基本金額が安い業者は注意
基本金額が相場費用よりも安く記載されている業者は注意が必要です。相場より少し下回っているレベルであれば問題ありませんが、あまりにも安い場合は何か裏があるということです。
例えば他の業者であれば基本料金に含まれているものがその業者ではオプションになっていたり、何かとオプションをつけさせようとしたりと、絶対的に表示されている金額で終わるということはありません。
特別価格で安い業者は注意
中には特別価格で費用が安くなっている業者もありますが、こういった業者にも注意しなければいけません。もしも特別価格で安くなっている場合はどういった特別なのか?という部分が説明されていなければ怪しんだ方が良いでしょう。
期間限定で安くしているのか?期間限定と言いつつも常に特別価格とうたっているのか?そういった部分もしっかりと調べておく必要があります。
料金がわかりづらい業者は注意
料金がわかりづらい業者というのは、基本料金が大きく書かれていて細かいオプションや細かくかかる費用などが説明されていない業者です。よくあるのが数万円~とだけ書かれているだけで、数万円~数万円と上限が書かれていなかったり、何をするとプラスで料金がかかるのかというのが記載されていない業者です。
どうしてもその業者が気になる場合にはまず電話などで細かい料金の設定を聞いておくと良いでしょう。
見積もり、キャンセル料が無料の業者を選ぶ
基本的に見積もり無料の遺品整理業者が多い中、見積もりが有料という遺品整理業者もいます。単純に見積もりだけで料金をとられてしまうのは痛い出費となるので、出来るだけ避けておきましょう。
また相見積もりをする際には最初に決めていた所よりも優良な業者が見つかるなんてこともあります。その際にキャンセルをしても料金がかからない所が良いでしょう。ただ、さすがに日数に応じてキャンセル料はかかってしまうことがあるので、キャンセルをする可能性がある場合は余裕を持った計画を立てておきましょう。
具体的に総額の料金例を記載している業者を選ぶ
しっかりとした業者の場合は総額の料金例をしっかりと記載しているという特徴があります。細かく記載してある業者の場合は家具がいくつ、家電がいくつ、などと細かくチェックする部分があったり、家電の場合はどんなものがいくらで買い取れるかという部分まで記載してあります。
そこまで細かく記載されている業者であれば悪徳な業者の可能性は低く、優良な業者と言えるでしょう。
遺品整理士が在籍している業者を選ぶ
遺品整理をするにあたって遺品整理士認定協会が認定した遺品整理士という資格を持った方がいます。遺品整理士はただ遺品を整理するだけではなく、法規制に遵守した形で行っていきます。
この遺品整理士が在籍している場合は優良な業者であると言えます。逆に遺品整理士が在籍していない業者の場合はただただ遺品を片付けるだけの業者の場合があります。
不用品回収業者には基本的に依頼しない
基本的に不用品回収業者と遺品整理業者は別物だと考えてください。不用品回収業者はただ不用品を回収してくれるだけで、遺品整理という形で処理はしてくれません。更に不用品回収業者の場合は遺品を雑に扱われてしまう場合があります。
亡くなった方の物であればどんなに不用品でも大事に扱ってほしいのが遺族の願いでしょう。不用品回収業者の場合はそこまで丁寧な作業は行ってくれません。
最後に
遺品整理業者を依頼する場合はとりあえず安いから、とりあえず急いでいるからと「とりあえず」で決めてしまうことは危険です。亡くなってしまった人の大事なものをどれだけ丁寧に、そして亡くなってしまった人の部屋をどのように綺麗にしてくれるか、大事なのはその部分です。
いざという時に焦って遺品整理業者に依頼しようとすると、忙しさから、つい適当な業者に依頼してしまうこともあるでしょう。そうならない為にも前もって遺品整理業者をいくつか調べておくことが重要です。