『形見分け』はタイミングや方法を間違えると、親族間のトラブルに発展することがあります。また遺品が多すぎて個人で対処できない場合はどうすればよいのでしょうか?形見分けの方法や遺品の正しい処理法について解説します。

形見とは何なのか

『形見』とは、『形を見る』という言葉から生まれたものです。

故人が愛用していたものを手にすると、生前の様子がありありと思い浮かぶのではないでしょうか。このように、形見とは故人を思い出す『よりどころ』になる品物を指します。

では、『形見』とされるのは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

形見の具体例

故人が生前に使っていたものは色々ありますが、とりわけ『故人がいつも身に着けていたもの』や『大切にしていたもの』が形見として残されます。

女性に多いのが指輪・ネックレスなどの貴金属品です。男性であれば、よく使っていたネクタイピン・時計・万年筆・カメラなどが挙げられるでしょう。

故人がコレクターだった場合は、骨董品・アンティーク家具・食器などが残されることがあります。貴金属や骨董品のような遺産は高い金銭的価値がつくため、欲しいと名乗り出る人は少なくありません。

一方で、直筆の手紙・写真・故人の作品などは、金銭的価値はないものの、遺族にとっては素晴らしい形見になり得るでしょう。

形見分けとは

『形見分け』とは、身内や故人と親しかった人々の中で、形見を分けることを指します。

『形見を通して故人を偲ぶ』という目的がありますが、昔は目上の人に対しては形見分けを行わないという風習がありました。現在では、本人の申し出があれば、年齢や地位に関わりなく形見分けを行う傾向が強いです。

形見分けの時期に決まりはありません。しかし、この世での最後のお別れという意味を込め、四十九日法要の後に行われることが多いようです。

また、金銭的な価値のある遺品は『相続財産』になるため、個人が勝手に処理することはできません。親戚が一堂に会する機会を待って行うのが理想と考える人もいます。

形見の処分方法

故人が愛用していた形見は、いつまでもとっておきたいというのが本当の気持ちでしょう。しかし、物が多すぎる場合や、形見残されては困るものは『処分』を検討する必要があります。

指輪などの貴金属

指輪などの貴金属は、形見分けで残される確率が最も高いです。高価なものは相続の対象になるため、自分の判断だけで処分するのは好ましくありません。

親族間で分配し、それでも余ってしまったという場合は、買い取り業者に引き取ってもらうことをおすすめします。

着物などの衣類

サイズの合わない洋服や古い着物は、残されて困る形見の1つともいえますね。

質、状態ともに良い高級着物は、高い買値が付くことがありますが、それ以外の衣類は値がほとんど付きません。お気に入りの1着~2着を残し、それ以外は廃棄処分するのが良いでしょう。

趣味の品やコレクションアイテム

コレクションアイテムといってもさまざまな種類があります。

骨董品、絵画、書画は、本物であれば値が付くことがあるので、査定を依頼し、買い取ってもらうのが理想です。また、故人の趣味仲間に贈ると喜ばれるケースもあります。

一方、フィギュア・帽子・CD・映画のパンフレット・石などは、興味がない人にとっては全く価値がありませんが、ネットオークションに出店すると高値で落札されることがあります。

マニアや欲しい人に譲るのがベストですが、時間的に余裕ない場合は、適切な方法に従い廃棄処分にしましょう。

形見分けや処分する際の注意点

形見分けは遺産相続とは異なるものの、親族間でしっかりと話し合う必要があります。また故人が大切にしていたものは、『本当に処分していいのか』を改めて考え、廃棄処分以外の方法を模索することも大切です。

相続の対象になりそうなものは避ける

形見分けは遺産相続とは違い『物を通して故人を偲ぶ』という目的があります。通常は誰が何をもらっても問題はありませんが、譲り受けた品が高額であった場合、たとえ本人が売るつもりはなくても相続の対象になる可能性があります。

一度すべての遺品の価値を洗い出し、高価な宝石、貴金属、骨董品などは、形見分けから外すのが理想です。誰に何を形見分けするかを話し合いで決めておきましょう。

どうしても譲って欲しいものがある、またはその人にぜひ譲りたいという形見がある場合は、あらかじめ価値を査定し、早めに相談しておく必要があります。

本当に処分してもいいのか考える

形見は、一度処分したらもう二度と手に入りません。処分するのがためらわれると思ったものは、すぐに結論を出さずに一旦保管しておくのがよいでしょう。

形見を処分する際は、必ず親族の了承を得るようにしてください。これが欲しかったのに、と後から言われるのを防ぐ意味もあります。

コレクションや趣味関係は、同じ趣味の仲間が欲しいと申し出てくれれば、故人も喜ぶでしょう。廃棄処分をせずに、形見を引き継ぐ方法があればベストですね。

また、人形やぬいぐるみを処分する際は、神社や寺での供養が必要であることも覚えておきましょう。

業者に頼んで処分してもらう方法も

遺品や形見の中には、自分では処理しきれないものもあります。また、物が多すぎて、どこからどう手を付けていいのか分からないケースもあるようです。

これまで、遺品整理や形見の処分は身内で行うのが一般的でした。しかし、残された遺族が高齢化していたり、遠方に住んでいて片づけができない場合は、業者に整理・処分をお願いすることもできます。

遺品整理業者の選び方

これまでは、リサイクル業者や買取業者が業務の延長上で片付けを行っていました。現在は、遺品を単なる物ではなく『思いのこもったもの』として扱う『遺品処理業者』が活躍する時代になっています。

法外な料金を請求する、違法な方法で処理をする悪徳業者も多い中、優良な遺品処理業者を選ぶにはいくつかのポイントがあります。

  • 遺品整理士の資格保持者がいる
  • ◯◯円〜、などの不明瞭な料金表示がない
  • 見積もり・対応が丁寧である
  • 口コミが良い

遺品整理士認定協会の『遺品整理士』の資格を有している業者は、一定水準以上のモラルと、遺品整理の知識を持っています。必須ではありませんが、1つの参考にするとよいでしょう。

形見を処分してくれるおすすめ業者

不用品回収業者やリサイクル業者の場合、形見も単なる不用品として扱われてしまう可能性があります。遺品整理や葬儀などに精通した業者は、遺族の気持ちを考慮し、形見を適切な方法で処分してくれるでしょう。安心してお任せできる業者を紹介します。

遺品整理ファンデックス

『遺品整理ファンデックス』では、遺族の気持ちに配慮しながら、特殊清掃、原状復帰、遺品供養など、遺品整理に必要な作業を一貫して行います。

買取にも対応しているので、買取価格を作業価格に充てることで、費用をグッと抑えることができますよ。

POSシステムと電子計測器を用いた緻密な計測で、部屋の広さや不用品の量に応じた正確な見積り額を出してくれる点もポイントです。事前にない追加料金は発生しないので、初めての人や高齢者でも安心してお任せできるでしょう。

生前・遺品整理ファンデックス

イオンのお葬式

イオングループといえば、郊外型のショッピングモールというイメージがありますが、葬祭事業にも力を入れています。

火葬式・1日葬・家族葬など現代人のニーズに対応している点や、大手のイオングループなので相談がしやすいといった評判があります。

イオンのお葬式では、葬儀だけでなく『形見整理』のサービスも行っています。専門スタッフが自宅まで訪問し見積もりをとってくれるので、依頼者は電話1本かけるだけでOKです。

コールセンターは365日24時間対応なので、まずは気軽に相談してみましょう。

イオンライフの形見整理

まとめ

残された遺族にとって、形見は故人を偲ぶ思い出の品ですが、必要以上のものを溜め込むことは好ましいとはいえません。

心を込めて処分することは、故人の魂をあの世に送り供養するといった意味もあるでしょう。親族ときちんと話し合い、トラブルのない形見分けや処理をしたいものですね。