片付けられない親を持つ場合、綺麗な家を取り戻すにはどうしたらよいのでしょうか。片付けられない親への対処法や、掃除のコツを紹介します。また、片付けられない親が子供に与える影響についても併せて紹介するので、ぜひチェックしてください。
片付けられない親たちが増加中
久しぶりに実家に帰省した人は、物が増えすぎていて驚いたという経験はありませんか?現在、高齢となった親世代に片付けられない人が増えています。「高齢だから仕方ない」と放置せずに、片付けられない親について一度じっくり考えてみましょう。
ゴミ屋敷化するケースも
片付けられない状態が悪化すると、家がゴミ屋敷化するケースもあります。これは気軽に買い物できる場所が増えた一方で、不要なゴミを処分するには労力やお金がかかるようになってきたためです。
100円ショップやコンビニが充実していれば、買い物は簡単です。しかし、ゴミを処分するには分別したり、ゴミ捨て場までゴミを運んだりしなければなりません。ゴミが大きければ簡単には捨てられませんし、高齢になるほど『捨てる』ハードルは高くなるでしょう。
子育て年代にも見られる
捨てられなくなっているのは、高齢な親たちばかりではありません。子育て中の若い世代にも片付けられない人は増えています。
『子育てに専念しているから』『忙しくて時間がないから』など理由はそれぞれですが、特に深刻なのが育児ストレスでうつ病を発症した人です。うつ病は、産後のホルモンバランスの乱れから発症する場合が多く、発症すると何も手につかなくなります。
片付けをする気力もわいてこないので、部屋が散らかっても対処できないのです。
片付けができない理由
親が片付けできない場合、まずは原因を考えてみることが重要です。単にライフスタイルの問題なのか、何かの病気を発症しているのかで対処法は異なります。それぞれのケースを自分の親に当てはめて考えてみましょう。
共働きなどで時間が取れない
父親・母親ともに働いている場合、片付けに必要な時間的余裕がないのかもしれません。しかし、家の中に物が溢れるのは困るので、少しずつでも片付けてもらうようお願いしてみてはいかがでしょうか。
元気なうちはよいですが、高齢になるほど片付けは難しくなります。「健康で快適な毎日を送るためにも片付けは大切だ」と訴えて、親のやる気をひきだしましょう。
認知症、うつ病などの病気やADHD
認知症やうつ病などを発症している人も、片付けがうまくできません。
認知症は高齢者に多く、脳の機能が衰え、判断力・記憶力・見当能力が失われていきます。一方、うつ病はストレスなどが原因で発症し、気力の喪失・判断力の低下が顕著です。親の様子を見ておかしいと感じたら、なるべく早く専門医に相談することをおすすめします。
また、『ADHD(注意欠如多動性障害)』の人も片付けが苦手です。注意力に欠けていたり、落ち着きのない行動が目立ったりするなら、こちらを疑ってみてもよいでしょう。
発達障害は、脳の神経伝達物質機能が十分に発揮されないために起こります。当人の意思とは関係ない不具合なので、この症状が出ているなら、片付け下手を責めても意味がありません。『片付けが苦手』ということを1つの個性として理解してあげましょう。
片付けられない親を持つ子供の問題
親が片付けられない場合、被害を受けるのは子供です。片付けられない親は、子供にどんな悪影響を与えるのでしょうか。
毒親は片付けられない人が多いって本当?
毒親とは、虐待やネグレクト、過干渉などで、子どもを不幸にする行動をとる親のことです。
自分以外には興味がない人、逆に執着心が強すぎる人などが毒親になる傾向がありますが、このようなタイプの親の多くは、片付けが苦手です。子供の為に家を綺麗にしようという配慮がなかったり、物に対して激しく執着するため、自然と家はゴミ屋敷化してしまうのです。
家の様子は心の中を表すともいわれます。毒親と呼ばれるほど不安定な人は、家の中も乱れがちなるのではないでしょうか。
子供への悪影響
片付けが苦手な親がいると、子供には、次のような悪影響が考えられます。
- 物を大切にできない
- 忘れ物が多い・段取りが悪い
- 健康被害
親が片付けをしない家では物が散乱しており、何が大切で何がそうでないのかわかりません。結果として子供は物を大切にできなくなります。また、整理整頓とは程遠い暮らしのため、片付けられない親を持つ子供は、段取りをつけて物事に当たることが苦手です。無駄な動きが多く、忘れ物の多さも目立ちます。
また、特に深刻なのは健康被害です。掃除もされない家では、ダニやカビ、害虫が繁殖します。空気の悪さから気管支を患ったり、ダニや害虫でアトピーのような症状が出たりする子供もいるでしょう。
汚すぎる家での子育ては、一種のネグレクトともいわれます。気になる子供を見つけたら、役所等に相談するとよいかもしれません。
家族ができるサポート
親が高齢だと、親だけで片付けをするのは困難かもしれません。何度も口を出して喧嘩になるよりも、親のためにできることを探してみましょう。
片付けられない親のため、家族はどんなサポートをしてあげられるのでしょうか。
不要な物を捨てる
片付けを行う際重要なのは、不要な物を捨てることです。しかし親の物を捨てるなら、親の承諾が必要になります。
親の承諾を得る時は『捨てる、邪魔』などマイナスな言葉は使わないように注意しましょう。頭ごなしに言われると親も傷つき、喧嘩になります。「不要な物を減らして、快適な暮らしをして欲しい」などと言葉を添え、親の暮らしをサポートしたいという気持ちを示すことをおすすめします。
親の不要物を捨てる際は、親の価値観を尊重することが大切です。
プロの手を借りる
家の状態が手に追えなかったり、片付けに時間が取れなかったりする場合は、片付けのプロにお願いしてみるとよいかもしれません。
例えば、イオングループで家事支援事業を展開する『株式会社カジタク』には、『片付け名人プレミアム』というコンサルティング型片付け整理収納サービスがあります。このサービスは、ライフオーガナイザーがその家に合った収納法を考案し、他にはないオリジナルな片付け方を提案してくれるのが特徴です。
ライフオーガナイザーは、生活動線や生活パターンまで配慮してプランを提案してくれるので、自分たちでは難しい理想の片付けを実現できます。片付け終了後に渡されるアドバイスシートがあれば、その後もリバウンドなく綺麗な家を保てるでしょう。
部屋を散らかさない努力も必要
片付けがうまくいったとしても、これまでと同じ生活パターンを送っていては、すぐに元の状態に戻ります。居心地のよい部屋をキープするには、部屋を散らかさないように努力しなければなりません。
物を増やさない
部屋を散らかさないために最も重要なのは、むやみに物を買ったりもらったりしないことです。物が増えてきたら収納を増やすのではなく、物を減らすよう努めましょう。
たとえそれが生活に必要な消耗品でも、大量に所持する必要はありません。物の保管スペースを決めて、そこに収まる分だけに所有すれば綺麗な部屋を長くキープできます。
掃除の習慣を身につける
こまめに掃除する習慣を身に着ければ、ゴミや汚れを溜め込むことはありません。
掃除道具を身近な場所に置く、毎日決まった時間だけ掃除するなど、小さな事から習慣にしましょう。それでもついつい忘れてしまうという人は、掃除スケジュールを管理できる掃除アプリなどを活用してみてはいかがでしょうか。
ブログやSNSで成果を発信する
なかなか片付けに取り掛かれない人は、ブログやSNSで『掃除宣言』するのも効果的です。ダイエットなどと同じように、他人に宣言すると、モチベーションが上がります。結果や成果も逐一SNSに上げていけば、同じような境遇の人からアドバイスや共感の声をもらえるかもしれません。
片付け作業が孤独に感じる人は、他人と共有することで孤独感から脱出できるでしょう。
まとめ
近頃は欲しい物を気軽に買える反面、捨てるには手間がかかります。そのため、物を溜め込む人が増え、多くの人が片付けられないと悩むのです。
特に高齢な親世代の悩みは深刻で、体力的・精神的にゴミが捨てられず、家がゴミ屋敷寸前という人もいます。
ただし、自分の親が片付けられないとしても、ガミガミ注意してはいけません。片付けられない原因を親の立場で考え、どうしても片付けが難しいなら、プロに頼むことも検討してみてはいかがでしょうか。
親と相談しながら片付けを行い、居心地のよい家を取り戻しましょう。