多忙な日々に追われているうちに、気づいたら自室が汚部屋になっていたことはありませんか?家の片付けがなかなか進まないという人のために、どうすればやる気がでるのか、またどこから手をつければ良いのかといった片付けのやり方についてまとめてみました。
目次
片付けの進まない日々はデメリットだらけ
部屋の片付けは面倒ですし、時間を取るのも難しくてなかなか着手できない人もいるでしょう。
しかし、片付けないままでいると様々なデメリットが発生します。散らかったままの部屋で過ごすことでどんな悪影響があるのかを解説します。
自己肯定感が低くなる
テレビで紹介される芸能人や主婦のおしゃれな部屋を見た時や、あるいは雑誌で住まいのカタログを見た時、どうしても自分の部屋と比較してしまいます。知り合いが部屋に来たいと言い出したときなどにも断らなければならないでしょう。
その結果「どうして自分は片付けなんて簡単なこともできないだろう」と自分を責めてしまうのです。そうなってしまうと気持ちが沈んでいき、「自分はダメな人間だ」と自己否定に走ってしまいます。
心身の健康を害する
部屋が不衛生だと、心身を害する色々な問題が発生します。
例えば害虫の発生です。小麦粉や砂糖を餌に発生するコナダニやツメダニ、人間の血を吸うイエダニやゴキブリが発生し、それら虫の死骸や溜まっている埃によって、喘息やアレルギー症状を引き起こすハウスダストも、近年問題になっているのはご存じでしょうか?
また部屋が散らかっている、虫がわいているような状態では心を休めることもできません。探し物がなかなか見つからない等の日常生活にも支障が出始め、ストレスの溜まりやすい環境になってしまいます。
片付けが進まない理由
部屋を片付けないことによるデメリットについて紹介しましたが、いくつかはすでに心当たりがある人もいるかもしれません。しかし、デメリットがあることがわかっていても、なかなか片付けが進まないという人は多いでしょう。
なぜ片付けが進まないか、その理由を振り返ってみましょう。片付けが進まない理由が具体的に定まれば、対策を取ることもできるようになります。
どこから手を付ければいいかわからない
ゴミの処分や分別に床や壁の掃除、エアコンや換気扇のフィルターの掃除など、いざ掃除を始めようとしても、どこから手をかけて良いかわからないという人も多いのではないでしょうか。
掃除慣れしていないと、1日かけて仕分けしても、まったく片付いていないということもよくあります。
何回かそういう経験をしてしまうと片付け自体がイヤになり、片付けをすることを諦めてしまうでしょう。まずは正しい手順をすることから始めなければなりません。
途中で飽きたり嫌になる
片付けはゲーム性があるわけでもない非常に単調な作業です。退屈で飽きてしまったり、途中で見つけた昔のアルバムや漫画に夢中になって、集中が途切れてしまうこともよくあります。
勉強やスポーツと同様、人間はいったん気持ちが途切れると再び集中するのに時間がかかります。家の中のすべてを掃除しようと思うなら、半日か、あるいはそれ以上の長い時間を1人で黙々とやらなければなりません。そう考えると途中でイヤになってしまうでしょう。
慣れない人にとって、掃除は苦痛でしかありません。最後までしっかり行うつもりなら、やり方を工夫する必要があります。
自力で解決できるレベルではない
すでに散らかりすぎて収集の付かなくなっているケースも考えられます。足の踏み場がなく、カビやダニが繁殖し、放置したゴミから異臭が漂うような状態の部屋は、もはや自力だけで片付けるのは不可能でしょう。
また仕事やプライベートが多忙で、片付けをするだけの時間が取れない場合も考えられます。片付けされない部屋はますます散らかっていき、片付け作業にかかる時間や手間はさらに上がっていくのです。
そのような場合、まず自力で解決するという手段に早々に見切りをつけ、知人の協力や、業者に頼むという方法を取りましょう。
片付けのハードルを下げよう
ハードルが高すぎると、かえって物事に手をつけにくくなります。例えば英語の勉強のために、一気に問題集を1冊すべて終わらせるという目標はなかなか手をつけにくいですが、1単語を覚えるだけならささっと終わらせてしまう人も多いでしょう。
このように、作業に手をつけるにはまずハードルを下げることがポイントとなります。
頑張りすぎない
片付けのコツは、第一に頑張りすぎないことです。1日中片付け作業をしたり、疲れてきたにもかかわらず無理に体を動かしてまで続けたりする必要はありません。
体調を崩したり、イヤになって途中で作業を投げ出してしまいます。
人間の集中力が継続するのは30分が限界と言われているので、30分ごとにちょっとした小休止を入れたり、何回かに日にちを分けて行うのが、最後まで片付けを行うためのポイントです。
時間を決めてメリハリをつけて作業を行いましょう。
狭い場所から始める
いきなりリビングなどの広い空間から手をつけるのではなく、まずは小部屋やトイレ、押し入れなどの狭い場所から始めていくのがポイントです。
物が少ない場所の方が掃除は比較的楽ですし、時間も短く済むので区切りが付けやすいというメリットがあります。また、掃除が順調にできたという自信と達成感が、モチベーションの向上にも役立つからです。そのままの勢いで次のところを掃除しよう、と気持ちが前向きになりやすいでしょう。
広いスペースを本格的に掃除する際に、物を避けておく一時的なスペースとしても利用できることが見込めます。手狭な場所から開始して、最後に大きい場所、という順番で片付けを行いましょう。
捨てられないなら一旦保留
片付けをする上で、不要な物の処分は避けられません。ゴミの処分は当然として、現状で使わない物についても、単にスペースを取るだけなので処分する必要があります。
ただ、中には判断に迷う物もあるでしょう。もらったプレゼントや高価な服など、捨てた場合に後々後悔しそうな物は判断が難しいですよね。
そのような物はとりあえず保留にします。悩んでいる時間がもったいないからです。保留ボックスのようなものを作って一時的に保管しておいて、後でゆっくり必要かどうかを考えましょう。
しかし、保留の品があまりに多くなるようであれば片付ける意味がありません。心を鬼にして厳選する必要があります。
挫折せずモチベーションを維持する方法
片付けが途中で飽きたり嫌になったりする原因は、モチベーションによるところも大きいでしょう。片付けは面倒な作業なので、何の工夫もなしに取りかかろうとすると高い確率で挫折します。
そこで、モチベーションを保つための工夫について見ていきましょう。
自分にご褒美を用意する
モチベーションが上がらない理由の1つはやはり報酬がないことです。高価でなくても良いので、自分に対するちょっとしたご褒美を設けましょう。
片付け後のちょっとしたブレイクタイムや、コンビニのスイーツを買って来て部屋で食べても良いかもしれません。
自分で綺麗にした部屋でくつろぐ時間は、思っている以上に価値のある報酬になるでしょう。
掃除の進捗を写真に撮る
モチベーションを保つ方法として『途中の成果を確認する』というのは非常に効果的です。
ダイエットでも、頻繁に体重を計測することで成果が確認できるとモチベーションがあがります。「自分のやっていることは無駄ではない」という安心感と、正しい方向に向かっているという自信が後押ししてくれるからです。
部屋の片付けも同じです。写真に撮るなどして綺麗になっていることを確認しながら作業してきましょう。
好きな音楽で気分を上げる
ドラマや映画で音楽は必ず使われます。その理由は、音楽が持つ2つの効果を期待しているからです。
1つ目は人を集中させる役割で、音楽を聴くことで人間は目の前の作業に没頭します。2つ目は、気分を上げるためです。悲しい音楽を聴けば悲しい気持ちに、明るい音楽を聴けば明るい気持ちになるでしょう。
掃除も同じです。音楽をかけることで掃除に集中する効果が期待できます。アップテンポな音楽をかければ作業効率も良くなるでしょう。「音楽をかけている時間は掃除に集中する」といったように、音楽で時間を区切るのにも有効です。
それでも部屋の片付けが進まないときは?
掃除は非常に重労働です。特に汚部屋の掃除はハードルが高く、今まで紹介したことを実践したとしても、うまく進まないこともあります。
面倒臭さが先攻して、作業に着手できないかもしれません。そんなときの解決方法についてご紹介します。
タイムリミットを設ける
試験日が決まっていれば、普段はどんなに勉強しない人でも手をつけはじめるでしょう。タイムリミットを決めるというのは何かを決める上で一定の効果を発揮します。
しかし、掃除は試験ではありません。自分で日にちを決めても破ってしまうこともあるので、破れないようにタイムリミットを設定するのがポイントです。
友達を呼ぶ
部屋に友人を招待しましょう。部屋が汚くて呼べないような状況なら、友人が来るまでに絶対に掃除をするしかありません。友人と綺麗な部屋で楽しく遊ぶというのも、具体的な目標としてモチベーションの向上につながります。
その際、日時の設定は余裕を持って行いましょう。当日の朝まで掃除をするような時間の無さでは、楽しく遊ぶことができませんし、「とりあえず見えているところだけ片付けてしまおう」と、表面状の清掃に留まってしまう可能性が高いからです。
引っ越しをする
引っ越しも、荷物の整理や不要品の処分を強制的に行わなければならないため、有効な手段です。部屋が汚すぎて自分自身ではどうしようもない場合、現状のリセットにもなるでしょう。
また、引っ越しは荷物を減らすほど料金が安くなりますので、物を捨てるのが苦手な人にとって処分のきっかけにもなります。引っ越しを通じて不要品の処分と、環境のリセットを行いましょう。
綺麗な部屋を維持することも重要
部屋を綺麗にするプロセスで、実は片付けというのはメインプロセスではありません。ダイエットで言えば、ようやく元の体重に戻ったというところなのです。この体重が維持できなければ意味がないように、部屋も、綺麗な状態を維持できなければ片付けた意味がありません。
綺麗な部屋を維持するためにやっておきたいことを紹介します。
物を増やさない
部屋が散らかる主な理由は、物が増えることにあります。クローゼットや棚などの収納スペースに物がいっぱいと取り出すのもしまうのも面倒になり、やがて床などに物を置き始めるようになります。物が増えれば探し物が見つけにくくなるデメリットもあるでしょう。
新しく何かを部屋に置く場合、それが本当に必要なものかを考えましょう。もし収納スペースに物が入らずに生活スペースにあふれているなら捨てることも考えてください。
使ったものは片付ける
使ったものは元の場所に置く習慣をつけましょう。職場の机などでも、どうせすぐに使うからと物を元に戻さず、非常に散らかっている机の人を見たことはありませんか?
この習慣には大きなデメリットがあります。物の間に埃がたまりやすく、掃除がしにくいという点です。物が多い人の机は片付いている机よりもよりコンスタンスに掃除が必要です。また片付いている机は簡単に綺麗にできますが、机が散らかっている人はまず物の整理と埃取りから始めなければならず、手間も倍かかります。
家の中も同じです。常に片付けられた状態を維持できていれば、簡易清掃で綺麗になるので、掃除にかける時間も減ります。しかし散らかっているとその分手間がかかるため、清掃時間が増え、結果掃除自体が面倒になって、部屋がさらに汚れてしまうのです。
清潔を保つ為にも、使った物を元に戻す習慣をつけましょう。
掃除を習慣化する
普段からの掃除が習慣になっていれば、常に部屋の中を綺麗な状態に維持できますし、大掃除などを行うのも楽です。後でまとめてやるよりもはるかにお手軽なので、掃除はできれば毎日行うようにします。
毎日といっても、部屋の隅々までを毎日やる必要はありません。今日は机の上、明日は押し入れ、明後日は床といった具合に、毎日ちょっとずつやれば負担はかかりにくいですね。
お風呂からあがるついでに浴槽を軽く清掃したり、パソコンを立ち上げるたびに机周りをちょっと清掃したりといった『ながら作業』なら、さらに簡単にできるでしょう。
自力で解決できないならプロの手を借りる
部屋が汚くなりすぎる場合や、忙しすぎてどうしても自分の時間が取れないなど、自分の力で片付けることが不可能な場合は、プロの業者の手を借りるという方法もあります。その場合の具体的な方法やメリットを見ていきましょう。
片付け業者
最近では、個人の家や部屋のクリーニングを行ってくれるプロの片付け業者が増えています。業者を利用すると、自分で片付けをするよりはるかに短い期間で、しかもより綺麗にしてくれます。自分ではなかなか捨てられないものも業者に一任して捨ててしまうというのも有効です。知人や家族には内密にできるというのもメリットでしょう。
ただし、すべてを任せてしまうとかなりの金額になってしまう可能性があるため、ある程度は自分でやっておいた方が良いかもしれません。また、法外な料金を請求する悪徳業者にも引っかからないように、下調べをしておく必要もあります。
費用はかかるが労力はゼロ
業者に頼むとそれなりに費用がかかります。ゴミの量にもよりますが、ワンルームでも10万円程度、一軒家なら数十万円かかるケースもあるでしょう。部屋のクリーニングや家電などの処分を頼む場合、さらに料金が発生します。
ただし、労力の面では個人で行うのに比べるべくもありません。個人でやったら数日かかってしまうような家の清掃でも、業者に頼めばあっという間です。個人では清掃不可能な部分までしっかり綺麗にしてくれます。
これらの作業を、自分の手を一切かけずにやってくれるというのは非常に嬉しい点です。時間や気力がないという掃除にかかるのに難しい理由をすべて補ってくれます。
整理収納アドバイザー
整理収納アドバイザーは、どのようにしたら部屋を綺麗にできるか、収納についてのアドバイスを行うサービス業者です。片付けを手伝うのは初回のみで、後は依頼者に合った片付けの仕方を、実際の家を見ながら指導してくれます。
料金も安いものだと1万円程度でお気軽にできるところもあるので、部屋の収納について悩んでいる人は相談してみても良いかもしれません。
片付け後のサポートも受けられる
整理収納アドバイザーは、オプションでアフターフォローをやってくれるところも多いようです。その後に何か困った問題が出た場合や、購入したい物があるけれどどう収納すれば良いかの相談することもできます。
綺麗な部屋の状態を維持するために、アフターフォローも積極的に考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
片付けの習慣がないと、片付けにストレスを感じてしまい、やる気が出ないということもあるでしょう。しかし、散らかった部屋では精神や肉体の健康面で、様々なリスクがあることは理解しておく必要があります。
片付けるためには、ご褒美を用意したり、音楽をかけるといった工夫をするとモチベーションを保ちやすいようです。後から大規模な片付けをせずに済むように、普段からしっかりと清掃や物の管理を行っておくことが大切だと言えるでしょう。