テレビの捨て方については、関連する法律によって細かくルールが決められています。法律や規則をよく理解しないまま行動してしまうと、違法業者との取引や厄介なトラブルに巻き込まれるかもしれません。テレビを買い替えたり捨てる際には、適切な方法で行いましょう。

家電リサイクル法により粗大ゴミではNG

通常家具などを捨てる時には粗大ゴミに出すケースが多いですが、テレビは粗大ゴミに出すことができません。家電リサイクル法によって禁止されているためです。持ち運びできる携帯用や車載用の小型テレビは別ですが、家庭でよく使われるほとんどの据え置きテレビは法律の対象で、一定の金額の支払いが必要になります。

※家電リサイクル法:エアコンやテレビ、冷蔵庫や洗濯機などの定められた家電の廃棄物から再利用できる資源をリサイクルし、廃棄物の減量と資源の有効利用を推進する法律。消費者が各種料金を負担し、電器店が拾集と運送を担当し、メーカーがリサイクルを行う構造になっている。

家電リサイクル券とテレビの種類

テレビを捨てる際にはテレビを買った電器店に引き取ってもらうか、各市区町村が提供しているサービスを利用するなど決められた方法に従いましょう。この時に必要になるのが家電リサイクル券で、電器店などの取扱店に引き取ってもらうケースと、消費者が決められた引き取り場所に持ち込むケースとで、使用する種類が分かれます。

  • 料金販売店拾集方式:取扱店に引き取りをお願いする際に使用。消費者は料金の支払いのみ。
  • 料金郵便局支払方式:引取場所などに持参する際に使用。消費者が用紙の記入や料金の支払いを行う。

また、捨てるテレビのインチなどの大きさや年式や型番などの種類によって、引き取りにかかる料金が変わってくるので、引き取りを頼む前に捨てるテレビの大きさと種類を調べましょう。

  • テレビの種類:ブラウン管 / プラズマ・液晶テレビ
  • テレビの大きさ:料金区分なし / 15型以下 / 16型以上

買い替えか処分だけかで対応が異なる

買い替えの際にはテレビを新しく購入する電器店で古いテレビを引き取ってくれるケースが大半です。電器店が引き取ったテレビは、概ねメーカーに移送されリサイクルされます。買い替えを行わず捨てるだけのケースには、後述のようにいろいろな方法があります。

買い替えなら購入店で回収可能

買い替えを行うケースでは、テレビを新しく購入する電器店で古いテレビを引き取ってもらいましょう。買い替えを行う電器店には引き取る義務を課せられています。新しいテレビの設置に際に古いテレビを引き取ってくることが多く、消費者の手間なく済ますことができます。無料で引き取りを行う電器店はあまりありません。

ケーズデンキ

ケーズデンキは一般財団法人家電製品協会より「家電リサイクル券取扱優良店」に認定されており、引取に対する高い評価を得ています。引取にかかる費用は以下の通りです。

テレビの大きさ 主要メーカーのリサイクル料金 拾集運送料金
15型以下 1200円〜 500円〜
16型以上 2200円〜

※主要メーカー以外では料金が異なるケースがあります。

ヨドバシカメラ

ヨドバシカメラでもテレビの引取を行なっています。料金は以下の通りです。

テレビの種類と大きさ リサイクル料金 拾集運送費
液量・プラズマテレビ 15型以下 1836円 540円
16型以上 2916円
ブラウン管テレビ 15型以下 1296円
16型以上 2376円

※主要メーカー以外では料金が異なるケースがあります。

ヤマダ電機

ヤマダ電機でもテレビの引取を行なっています。料金は以下の通りです。

テレビの種類と大きさ リサイクル料金 拾集運送費
液量・プラズマテレビ 15型以下 1836円〜 1080円
16型以上 2916円〜
ブラウン管テレビ 15型以下 1296円または1836円
16型以上 2376円または2916円

※主要メーカー以外では料金が異なるケースがあります。

処分するだけなら方法はいろいろ

買い替えではなく、テレビを捨てるだけであれば家電量販店で引き取ってもらう以外にもいくつかの方法が考えられます。ご紹介しますので、テレビを捨てる際の参考にしてください。

東京や横浜などは自治体サービスの利用も

テレビは粗大ゴミとして捨てることはできませんが、各市区町村が独自に家電リサイクルのサービスを行なっているケースでは、各市区町村へ拾集運送を頼むことが可能です。首都圏では、東京23区を対象とした家電リサイクルセンターや、横浜を対象とした横浜家電リサイクル推進センターなどが代表的なものとして挙げられます。

各市区町村が提供する家電リサイクルサービスの料金相場は以下を参考にしてください。

テレビの大きさ リサイクル料金 拾集運搬費
15型以下 1800円 2700円
16型以上 2900円 2700円

札幌、大阪、福岡など回収しない自治体も

札幌市、大阪市、福岡市など大都市であっても家電リサイクルサービスを行なっていない各市区町村の自治体もあります。各市区町村が引き取りサービスを行なっていないケースには、テレビを購入した電器店に拾集運送を頼んだり、下記のように指定引取場所へ消費者自ら持ち込むことや、リサイクルショップなどへの買取、知人・友人への譲渡を考えましょう。

指定引取場所に自分で持ち込み

家電リサイクル券センターが定めた指定引取場所への持ち込みも可能です。自らテレビを運ぶ必要があるので負担が大きいですが、近所に指定引き取り場所がある方は検討してみてください。指定引取場所の所在地や営業時間については下記HPで調べてみましょう。

この方法を利用するケースでは、引き取り場所に持ち込む前に、あらかじめテレビの種類やメーカーを調べた上で、まず郵便局で郵便局券を使用してリサイクル料金を支払う必要があります。リサイクル料金の支払い後でないと持ち込むことができないので、注意しましょう。詳しい引き取りの流れについては、上記のHPに記載がありますので一読してみてください。

売ったり譲ったりする方法も

リサイクルショップなどへの買取も考えられるでしょう。買取が成功したケースでは、これまでの方法と異なり収入を得ることができメリットが大きい方法です。ネットオークションやフリマアプリで売るには、テレビは大きすぎて送料が高く、あまりおすすめできません。

発売から5年以内、もしくは7年以内で高性能なテレビであれば買い取ってもらえる可能性が高いです。発売時期や年式を調べましょう。

他には、友人・知人などへの譲渡といった方法もあります。年式などが古いテレビではリサイクルショップなどで買い取ってもらえないケースも多いです。しかし、モデルや型が古くても、問題なく使用できるものであれば、欲しいと思う友人や知人がいるかもしれません。

SNSやメールなどで欲しいかどうか聞くのも良いですが、「ジモティー」など地域コミュニティアプリであれば、古い家電を欲しいと思っている方により広くアプローチすることができます。アプリの使用も検討してみましょう。

  • ジモティー:HP

テレビ処分のトラブルを避けるために

これまで見てきたさまざまな方法でテレビを捨てたり引き取ってもらえば問題ありませんが、万が一トラブルに巻き込まれることのないよう捨てる際に注意するべき点についてあらかじめ調べておきましょう。

無許可の回収業者には要注意

拡声機などで宣伝しながら不要な家電や家具などを拾集運送して回る業者を見たことはありませんか?このような業者には、違法業者が多いので注意しましょう。もしこのような業者に頼むケースでは「一般廃棄物処理業の許可」を取得しているかどうかを調べましょう。この許可を取得していない業者がテレビなどの拾集運送を行うことは違法です。

さらに、テレビが不法投棄されたり環境汚染の増大に繋がったり、中には不当に高額な請求をされるケースもあります。怪しい業者だなと思った際には、必ず許可を取得しているかどうかを調べるようにしましょう。

NHKの解約には廃棄証明書が必要?

テレビを捨てた後に気になるのは、NHKの解約です。面倒なイメージがあるかもしれませんが、NHKの解約はルール通りに行えばスムーズに解約することができます。解約の手続きは、使用した家電リサイクル券を用意し、指定のフリーダイヤルに電話し送られてくる書類を返送するだけです。

まとめ

テレビを捨てる際には、粗大ゴミとして出すことができなくてもいろいろな方法があります。違法業者を利用してしまったりトラブルに巻き込まれることのないよう、適切な方法を採って捨てましょう。また、自らの条件を踏まえて、費用や手間をできるだけ抑え、お財布や環境にも優しい処分の仕方を検討してみる事が重要です。