部屋を片付けられない傾向が強く、家がゴミ屋敷になっている人は『片づけられない症候群』かもしれません。ゴミだらけの家に住むことは、たくさんのデメリットや問題点があります。本記事では『片づけられない症候群』を克服するために、片付けられない原因や解消方法を解説します。

片付けられない人が増えている

部屋が散らかっているにもかかわらず、片付けることができない人がいます。そういった人は決して少数ではなく、大人から子供まで見られます。

汚部屋、ゴミ屋敷が話題

『汚部屋』とは、その名の通り汚い部屋のことです。また、『ゴミ屋敷』とは、家全体がゴミで埋まっているような家のことです。

部屋を片付けられない人が増えてきており、このような不衛生な空間で暮らしている人も多いようです。真面目で爽やかなイメージの人が、実はゴミ屋敷に住んでいるということもあり得ます。

このような状態になるまで放置してしまうのは『片づけられない症候群』の症状の1つであり、なるべく早く解消しなければ日常生活にも支障が出てきます。

大人から子供まで症状が見られる

片付けができないという症状は子供だけではなく、大人にも見られます。

子供の場合は、ストレスや病気によって片付けられないことがあります。また、そもそも片付ける必要性を感じていないこともあります。このような子供に対しては、親が丁寧に教育することが求められます。

大人の場合は、親の影響や障害などによって片付けられないことがあります。大人になって発症する発達障害も存在し、これが原因となっている場合もあるので、思い当たる人は医師による診断を受けるようにしましょう。

芸能人もカミングアウト

ある有名な女優は、自身のブログで1800lものゴミを溜めてしまっていたことをカミングアウトしました。

他にも、掃除機をかけるのは4か月に1回だったり、シンクに置かれた食器にカビが生えていたりといった不衛生な環境で過ごしていると公言したタレントもいます。

このように、著名な芸能人の中にも片付けが苦手な人は多くいるようです。

片付けられない理由は?

部屋が片付けられない理由として考えられるものがいくつかあります。理由をしっかりと把握することで、対策を練るようにしましょう。

時間や精神的なゆとりがない

学校生活や職場環境などが原因で精神的なゆとりがないと、片付けに踏み切ることが難しくなります。『家にいるときくらいは楽になりたい』という感情から、帰宅してすぐに無気力状態に陥ってしまう人もいるでしょう。

また、現代では労働時間が多い傾向があるので、単純に片付けに割く時間がないという場合もあります。

ADHDなど発達障害が原因の場合も

ADHD(注意欠陥多動性障害)は仕事に集中できなかったり、興味の対象がコロコロと変わったりする病気のことです。この病気が原因で部屋が片付けられないこともあるようです。

ADHDは子供が発症するものだと考えられていましたが、最近では大人になってから発症するタイプもあることがわかっています。

片付けに関わらず、日常生活に支障が出るほどの違和感がある場合は、速やかに病院で診断を受けましょう。

高齢者は認知症の可能性もある

認知症は、加齢が原因で記憶力の低下や見当識障害などの症状が見られ、生活に支障をきたす状態のことです。この認知症によって、以下のようなことが起こる場合があります。

  • ゴミの回収日を忘れる
  • 曜日感覚を失い、賞味期限切れの食べ物を捨てずに放置してしまう
  • 収集癖という症状が現れ、たくさんの物を身の回りに置くようになる

このように、認知症によって部屋が片付けられなくなることも大いに考えられます。

片付けられない症状は悪化していく

片付けられない症状を軽く見てはいけません。『いつか片付ければいいや』と放置しておくと、どんどん症状は悪化していきます。

感覚が麻痺する

ずっと汚い空間に住んでいると、感覚が麻痺してきます。通常の人であれば引いてしまうような汚い部屋でも、感覚が麻痺すると、散らかっていても気にならなくなります。

このような段階になると、部屋を片付ける必要性すら感じなくなってしまいます。部屋に遊びにきた友人から指摘されてから気づくようでは恥ずかしいですよね。

まずは『部屋が散らかっている状態は異常である』と認識するようにしましょう。そして感覚が麻痺する前に、片付けをする習慣を身に付けるようにしましょう。

片付けても無駄だと思い始める

ゴミ屋敷と呼ばれるレベルまで散らかると、片付けなくても良い理由を探し始めます。よくあるのが、「どうせすぐ散らかるのだから片付けても無駄だ」というものです。

確かに習慣を変えなければ片付けてもすぐに散らかってしまいますが、少しずつでも習慣を変える努力をすれば、綺麗な部屋を維持することができます。

片付けても無駄だと思い込む前に、どうしたら片付けられるかを考えてみましょう。

どうしたら解消できる?

『片づけられない症候群』は、想像以上に厄介です。放置すると取り返しがつかないくらい悪化してしまいます。

どうすればこのような症状を解消できるのでしょうか。

汚部屋に暮らすデメリットを知る

汚い部屋に暮らすことは、以下のようなデメリットがあります。

  • ゴキブリやハエ、ダニなどの害虫が増え、不衛生な環境になる
  • ハウスダストによる病気になる
  • 常に物に囲まれて、作業に集中できなくなる
  • 友人や恋人、親族を呼べなくなる

部屋を片付ければ、これらのデメリットを一気に解決することができます。

片付けへの心理的ハードルを下げる

片付けが苦手な人は、『1度の掃除で完璧に綺麗にしなきゃいけない』と思い込んでいる人もいるようです。そのような考え方だと片付けに踏み切る前に諦めてしまいます。そのため、とにかく片付けへの心理的ハードルを下げるようにしましょう。

最初から完璧を求めるのではなく、以下のように段階的に進めていきましょう。

  1. 床に散らばっているゴミを捨てる
  2. 必要なものと不要なものを分類する
  3. 必要なものを収納する
  4. 狭いスペース(トイレや風呂場など)から掃除する
  5. 広いスペース(リビングなど)を掃除する

まずは床に散らばっているゴミを捨てるだけでも十分です。飲み終わったペットボトルや使い終わった割り箸など、明らかにゴミと判別できるものをどんどん捨てていきましょう。それだけでも『片付けられない症候群』から抜け出す大きな一歩です。

1日で終わらせる必要はありません。1日10分程度でもいいので、まずは段階的にやってみることが大切です。

他の人の力を借りる

友人や家族に事情を説明し、片付けを手伝ってくれるように頼んでみるのも良いでしょう。1人では片付けのモチベーションを維持できなくても、誰かと協力すればやり通すことができます。

また、専門の業者に頼むのも有効な手段です。費用はかかりますが、自分でなれない掃除をするより部屋が綺麗になるので非常に楽です。プロの手を借りれば、素人が取り組むよりも綺麗に仕上がります。

まとめ

『片づけられない症候群』によって汚い空間で過ごしていると、気分も憂鬱になります。引きこもりや借金を抱える人の部屋は散らかっていることが多く、精神面と部屋の汚さは密接に関係しているとも言われます。

まずは片付けられない理由を明確にして、しっかりと対策していきましょう。これまでの習慣を一気に変える必要はありません。できることから始めていき、定期的に片付けをする習慣を少しずつ身に付けていけば良いのです。そうすれば、2度とゴミ屋敷に戻ることはないでしょう。