片付けが苦手な原因や、掃除をはじめられない理由などを解説しています。また、片付けないことで起こる問題や病気による問題、部屋をきれいに掃除する主な手順、片付け下手を克服するための方法などもまとめました。

片付けが苦手な人は多い

片付けや整理整頓が苦手と考える人はたくさんいます。何らかの報酬が発生するわけでもありませんから、面倒と感じてしまうことも多いでしょう。

時間があれば掃除をする余裕があっても、仕事が忙しいときはそれどころではないと思ってしまう人も多いのではないでしょうか。ただし、中には発達障害や病気が原因で片付けが苦手と思っているケースもあります。

仕事が忙しく時間と心の余裕がない

毎日フルタイムで働いていると、物理的に時間が取れないケースもあります。朝早く出て行き、帰りは深夜になってしまえば、掃除をするどころではなく食事や入浴、睡眠だけで手一杯でしょう。

たまの休みには出かけたり、休息を取りたいと思う人もたくさんいます。部屋の片付けをする気力はなく、どんどん部屋が汚れてしまうこともあるのではないでしょうか。

時間と心に余裕がなければ、掃除はうまく行きません。手早く片付けるにしても、ある程度の時間は必要です。

発達障害や病気が原因の場合も

仕事が忙しいわけではなく、部屋を片付けておしゃれなインテリアで彩りたいと思いながらも、片付けができないことがあります。

掃除をはじめたものの、途中でテレビが気になったり、アルバムを眺めていたら余計散らかってしまった…と言う経験は多くの人にあるのではないでしょうか。

しかし、毎回似たようなことになってしまい、最後まで片付けが終わらない場合は『ADHD(注意欠陥・多動性障害)』の可能性があります。単純計算や作業でミスが多い、1つのことに集中できないなど症状が当てはまる場合は1度病院でチェックしてみましょう。

その他にも、精神的な病気や認知症などで、急に片付けができなくなってしまうことがあります。発達障害と違うのは、今まで問題がなかったのに突然やる気や興味がなくなってしまうことです。

子供が片付けを出来ないのは発達障害の可能性も

親がいくら言っても片付けができない場合、発達障害の可能性があります。もちろん、単に怠けているだけだったり、面倒臭いと思っているだけのこともあるでしょう。

しかしいくら注意しても忘れ物がなくならない、同じところにじっとしていられないなどの症状がある場合は、発達障害を疑ってみましょう。

発達障害と言っても、ADHDは計算や人と意思の疎通をはかることに問題はありません。ただ片付けが苦手だったり、教室でじっと人の話を聞いていられなかったりします。

症状には個人差もありますが、気になる場合は小児科や子供の精神病を扱う科などに相談しましょう。

片付けに取り掛かれない理由

休日や時間が取れたときに掃除をしようと思うものの、結局何もできなかったという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

どこから手を付けるか悩んでいるうちに時間が過ぎてしまったり、どうせ散らかってしまうからと意欲がなくなることもあります。

どこから手を付けたらいいかわからない

いざ片付けようと思ったら、服が散乱し、ゴミが部屋の中に散らばっているなど、あらゆるものがごちゃまぜになってしまっていることもあるでしょう。

服を洗濯するのかタンスにしまうのか、いらないものをゴミ袋に詰めていくのか、手順がわからず諦めてしまう人もいます。

ある程度簡単に終わる量なら、散らかっている小物を片付けるだけ、洗濯するだけ、ゴミを捨てるだけなど順序だてて片付けが進みます。

すぐまた散らかるのでモチベーションがわかない

どうせ片付けても数日で散らかってしまうと思うと、やる気がわかなくなってしまう人もいます。自分が散らかしてしまう場合は対処もできますが、子供や家族が部屋を散らかす場合は問題です。

散らかることを諦めるよりも、散らかさないように心がけることが大切です。部屋を使っている以上、物の出し入れや整理整頓は避けることができません。

使ったらすぐしまうことや、なるべく物を増やさないことが大切です。子供が散らかす場合は、大雑把に収納するだけで良い、大型の『何でもボックス』を準備するなど、細かい収納を変えることも考えてみましょう。

片付けられないことで問題が起こることも

片付けなくても大した問題は起こらないと考えている人でも、最低限部屋を片付けることは重要です。特に、ホコリやゴミ、汚れが病気の原因になったり、家族とうまくいかなくなることも考えられます。

また、汚い部屋に住むことで、精神的なバランスが崩れることもあるでしょう。大雑把で多少のことは気にしない人でも、一定のラインは超えないように部屋を片付けることが大切です。

部屋の汚れが原因で病気になる

ホコリはアレルギーなどの原因になり、呼吸器のトラブルや皮膚の炎症などにつながります。目に見えなくても、ダニなどが繁殖している可能性があり、注意が必い要です。

ホコリだけでなく、食べ物のカスや生ゴミなども、できる限り早く処理するようにしましょう。虫が発生する原因にもなり、衛生的に問題があります。

洗い場に汚れた食器を放置することも、汚れた水から羽虫が発生する原因です。湿気を放置していると、カビなどが発生することもあります。ウイルスや菌、虫などが発生すると、風邪が治りにくくなったり、咳やくしゃみが続いたりと、病気の温床になり問題です。

また、部屋に物が散乱していると、掃除機をかけたり拭き掃除をしたりという、基本的な清掃もできないため気をつけましょう。

片付けられない主婦が離婚の危機に

一人暮らしなら自分が困るだけですが、家族で暮らしている場合は問題です。最低限の清潔感が保たれていないと、離婚の原因になってしまうこともあるでしょう。

夫婦である以上、どちらかが何もせず暮らしていけるわけではありません。協力し合って家事をすることも必要です。

ゴミ屋敷のような家に住むことが嫌になった夫から、家事放棄や夫婦生活の継続が難しいことを理由に、離婚を切り出されるといったケースもあります。双方忙しく、物が散らかることは仕方がないかもしれません。しかし、ゴミが溜まっていたり洗い物が放置されたりすると、臭いや衛生上の問題もあるでしょう。

片付けようと頑張っているけれどどうしても片付けが苦手な人は、即座に離婚につながらないこともありますが、片付けが苦手だから何もしないというスタンスは危険です。

メンタルのバランスが崩れる

掃除をしないで汚い部屋に住んでいると、精神的にバランスが崩れることも考えられます。乱雑に散らかったものを見てイライラすることもあるでしょうし、ネガティブになることもあるでしょう。

うつ病などの精神的な問題が発生すると、片付ける気力も失われてしまいます。そうでなくても、部屋が汚くなると、人を招く気持ちもなくなるでしょう。友達や恋人などを部屋に呼ぶことができないと、引きこもりがちになってさらに部屋を汚してしまうなど、悪循環です。

また、臭いや汚れ、溜まったホコリなどで体調が悪くなれば、それだけメンタルに悪影響が出てきます。多少時間がなくても、部屋を清潔に保てるよう注意しましょう。

片付け下手を克服する方法

片付けが下手な場合は、まずどんな部屋で暮らしたいのか具体的に想像することや、物を減らしていくことが重要です。

片付けるのが下手でも、生活を具体的にイメージし、最低限の物で生活していけば面倒な掃除に時間を取られることも少なくなります。

具体的な生活イメージを持つ

片付けた後、どんな部屋で生活したいのかを具体的に想像しましょう。ただきれいにするだけではなく、『最低限の家具で、シンプルな部屋』や『インテリアを活かして絵や花を飾りたい』など、細かくイメージすることがポイントです。

掃除した後も、理想の部屋を保つために努力しやすくなります。また、理想を設定しておけば、どのように片付ければ良いかはっきりするでしょう。

たとえば、家具を少なくしてすっきりした部屋を目指すなら、持っているものや家具を減らすところからはじめます。飾り棚に絵や花を飾りたいと思うなら、棚の上はきれいに片付くよう収納しなければなりません。

衣類や日用品の購入を控え物を減らす

衣類が極端に増えてしまうと、タンスにしまいきれなくなってしまいます。また、収納できたとしても、そのたびにたたんで片付けることは、片付け下手の人には難しいかもしれません。

洋服を少なくして、収納スペースに余裕を持っておけば部屋も散らかりにくくなるでしょう。

また、ちょっとした日用品なども買いすぎないよう注意が必要です。そのうち使うからと大量に物を買い込みすぎると、スペースを圧迫してしまいます。

小さな目標を設定する

出したものは元に戻す、洋服を脱いだら必ずバスケットに入れるなど、小さな目標を設定することも良い方法です。

ちょっとした目標なので達成しやすく、やる気も上がります。

片付けの手順

主な片付けの手順は、物の仕分けと収納です。順番に取り掛かれば、スムーズに掃除が終わります。

必要な物と捨てるものを仕分け

まずは散らかっているものを見て、必要なものと捨てるものに分けましょう。

捨てるものは全部ゴミ袋に入れ、分別して捨てるだけです。ただ、効率的に仕分けをするには、袋を3つくらい用意して片付けをすることが効果的でしょう。1つ目は『必要なものを入れる袋』、2つ目の袋には『不要なものやゴミ』を入れていきます。3つ目には『判断に迷うもの』を入れましょう。

掃除をする上で、捨てるべきか悩んでしまうものはたくさん出てきます。しかし、判断に迷うものをいちいちチェックしていると、時間が過ぎていきます。ひとまず保留するための袋を用意しておけば、あまり迷わずに片付けが進みます。

まずは、必要なものだけ残るようにして、仕分けを行うことがポイントです。保留したものは、片付けがすべて終わってからゆっくり考えましょう。住んでいる場所でゴミの分別が必要な場合は、いらないものを先に分別すると、後で捨てるときも簡単です。

残ったものを収納し掃除する

仕分けが終わったら、次は残った必要なものを収納スペースにしまいます。このとき、適当に片付けていくのではなく、今後しまいやすいようにジャンルを分けてしまっていくことがポイントです。

たとえば文房具は小さい棚の引き出し、スキンケア用品はドレッサーの中、お菓子などの食品はキッチンの棚に入れるなど、統一感を持たせましょう。しまう場所を決めたら、その後は同じ場所に片付けるようにします。

物が外に出ていない状態になったら、掃除機や拭き掃除なども行いましょう。

片付けを習慣化する方法

片付けを習慣化するには、いくつかの方法があります。ご褒美を設定すれば長続きしやすくなるでしょう。人に報告することや、意見を求めることも効果的です。

プロの意見を聞く場合は、今後自分で掃除するときのやり方も教わることができるため、片付け方がわからない人にも役立ちます。

ご褒美を設定する

片付けをしたら翌日はおいしいランチを食べる、好きなものを買うなどご褒美を設定してみましょう。ご褒美を豪華にしすぎる必要はありませんが、何かちょっとでも良いことがあると片付けが苦ではなくなります。

自分のお小遣いや余っているお金からご褒美代を捻出できる場合は、一度試してみましょう。掃除が嫌だという気持ちがなくなり、率先して掃除をしやすくなります。

やる気を保ちにくい1人暮らしはもちろん、家族で暮らしている場合でもご褒美設定は有効です。他の人が散らかしてしまった部屋を片付けるモチベーションを維持するには、多少のご褒美も必要ではないでしょうか。

片付けをブログやSNSで報告する

掃除をしたらSNSで友人に報告する、片付けブログを作って報告するなども効果があります。誰かが見てくれていると思えば、やる気も出てくるのではないでしょうか。

ブログやSNSに写真をアップすると、さらに効果的です。きれいになった部屋を画像で残しておくことができ、達成感を得られます。特に、普段からネット環境に親しんでいる人や、SNSで交流している友人が多い人なら、見た人からのコメントももらうことができ、ますます達成感が高まるでしょう。

プロにアドバイスを求める

自分のやり方では効率的に掃除ができないと思うなら、プロの『整理収納アドバイザー』などに相談してみましょう。適切な収納方法や、おすすめの片付け術などを教えてもらえます。料金は発生しますが、片付けが苦手でアドバイスが欲しい人におすすめです。

また、部屋にゴミが溜まっている、すぐに片付けを頼みたいなら、専門のハウスクリーニング業者やゴミ処理業者を考えてみましょう。

まとめ

片付けが苦手と感じる方でも、ある程度掃除をしなければ病気やトラブルの原因になります。多少物が散らかってしまうことは仕方ないとしても、部屋を清潔に保つ努力は必要です。

片付けの手順を覚えて、ちょっとしたご褒美なども設定するなど、掃除が苦にならないやり方を考えましょう。