遺品整理の中で難しい品物の1つが写真やアルバムです。
さまざまな思い出が写されているため、処分することが辛くなかなか遺品整理が進まなくなってしまうケースが非常に多いのです。
そこで、効果的に写真やアルバムの遺品整理する方法や注意点を詳しく解説します。
写真やアルバムの遺品整理の仕方
写真の遺品整理の手順
写真は、故人のことを想うことができる思い出の品であるため、家族など身近な人にとってとても大切な遺品の1つです。
しかし、大切な品であるからこそ、量が多い場合などは遺品整理で困ってしまう品物でもあります。
写真の遺品整理を行う場合、まずは以下のような分類に写真を分けてみましょう。
- 故人が撮影したもの
- 故人が友人と写っているもの
- 故人が家族と写っているもの
- 故人だけが写っているもの
例えば、故人の成長を写した写真は大切ではありますが、残された家族はまだ生まれていませんので、あまり思い出を共有できない写真です。
ですので、家族の中で残しておく写真としては優先度が低くなります。
このように、写真の価値や手元に残す優先度を考えるためにも、いくつかの分類に分けて写真を整理することが大切なのです。
そして、本当に手元に残しておきたい写真を抜き出して、改めてアルバムに収めていきましょう。
データ化して手元に残す
写真をそのまま残しておくのは良いのですが、一方でどんな写真もできるだけ残しておきたいと思われる方もいます。
そうした方には、可能な限り写真をデータ化しておくことがオススメです。
写真をデータ化する場合、スキャナーという画像を取り込む専用機器を用意します。
スキャナーには、写真を画像として取り込む機能の他にも、ネガを直接読み込むタイプもあります。
ですので、写真を保存するのに適したものを選べるように、家電量販店の店員さんへ相談しながら購入するのが良いでしょう。
スキャナーを手に入れたら、後は写真を取り込んでいくだけでデータ化は完了します。
この際、先述したような分類分けをしておくことでデータ化した写真を整理しやすくなりますので、データ化する場合でもきちんと手元にある写真を分類することは大切な作業です。
捨てるか供養するか
遺品の写真をデータ化する場合でも問題となるのが、不必要になった写真をどのように処分するかということです。
基本的に写真は燃えますので、そのまま可燃ごみとして家庭で処分することが可能です。
ただし、人が写っている写真をそのまま可燃ごみとして処分するのに抵抗があるのも事実です。
そこで、神社やお寺で写真供養をしてもらうことも選択肢に入ります。
神社やお寺で行われる写真供養は、しめ縄飾りなどのようにお焚き上げを行い、丁寧に供養してくれます。
また、遺品をまとめて処理してくれる遺品整理業者でも遺品供養の一環として写真供養を行っています。
この場合、供養は提携している神社やお寺、専用の供養場所で行うため、ぞんざいな供養ではありませんのでご安心ください。
業者に依頼する場合はもちろん、個人で供養する場合でも費用は必要ですので、あなたにとって最も便利な方法、心も込められる方法で写真を整理してください。
親戚や遺族での受け渡し
整理した写真の中には、自分にとってはあまり大切ではないものでも、他の家族や親戚にとの大切な思い出の品物である場合があります。
そこで、整理した写真やアルバムの中で故人と親戚が写っているものをさらに細分化して整理しましょう。
そして、郵送や法要の際などに渡してあげるのも重要な写真の遺品整理方法となります。
ただし、郵送で送る際に気をつけておくべきことは、その親戚が写真を欲しがっているか事前に確認するということです。
場合によっては、送られた親戚がその写真の処分に困ってしまう場合があるのです。
ですので、写真を渡す前にはきちんと連絡を入れて、必要かどうかを確かめてから受け渡すようにしましょう。
遺品整理で写真処分をする際の注意点
写真は残しておきたい瞬間を切り取るものですので、1枚1枚に大切な思い出が残っています。
そのため、できるだけ多く残しておきたくなる遺品です。
しかし、多くの写真が残っていると亡くなったときに、あなたの子供がその写真の処分に困ってしまいます。
実は、遺品整理で残した大切な写真は、残した人の遺品になってしまうことを認識していない方が多く、代々遺品の写真の処分に困り続けてしまうことがあるのです。
また、自分と同じように大切な写真をしっかりと供養してくれる、と思って多く残す方も多いのですが、面影すら知らない遺族にとっては、その大切さが分からず適当に処分される可能性があることを忘れてはいけません。
そのため、今後あなたの遺品整理を行う子供や孫のためにも、あなたの代で可能な限り故人の写真を処分しておくことが大切です。
特に、大切な思い出の詰まった写真だからこそ、しっかりと心を込めてあなたが供養してあげましょう。
手元に残すことだけが、大切さを表すことではありません。
写真やアルバム以外にも整理しにくい遺品があったら
さて、写真やアルバム以外にも思い出の詰まった遺品はいくつもあります。
遺品は故人が亡くなるまで使用していたものが多いため、その分遺品に対する気持ちが強くなりやすく遺品整理がしにくくなってしまいます。
- タンス
- 礼服やドレス
- 食器
電化製品やアクセサリーといった高価なものは自分で使用したり売却したりする意識が生まれやすいですし、普段着ていた服などは思い出があっても処分しやすい遺品です。
しかし、上記のような価値がありそうなもの、処分するのが難しいものは意外にいつまでも手元に残ってしまいがちです。
特に、食器は毎日使用していたため思い出が残りやすく、いざ処分しようと思うとなかなか整理ができず、量も多いために収納できずに悩んでしまうケースが多い遺品です。
このような整理が難しい遺品は、まとめて遺品整理業者に依頼して遺品整理の手続きの際に一緒に整理するのがオススメです。
このような遺品は残すか処分するかずっと迷ってしまうことが多いのですが、思い入れが無い第三者と一緒に遺品の整理を行うことで、必要かどうかを冷静に見極めることもできます。
また、タンスなど自分では処分が難しいものでも手軽に整理・処分が可能なため、本当に必要なもの、今後も使用できるものだけを残せます。
そして、遺品整理業者は必ず遺品として取り扱ってくれるため、ぞんざいに扱うことはせず、丁寧に自宅から運び出してくれます。
遺品整理業者と聞くと冷たいイメージがあるかも知れませんが、きちんと心を込めて遺品の整理をしてくれますのでご安心ください。
写真やアルバムも適切に処分してくれる業者選びのポイント
遺品整理業者が行うことは業者間で大差があるわけではありませんが、家族への配慮や料金体系などは業者によって異なります。
悪質な業者の場合は
- 大切な遺品をゴミとして扱ったり
- 高額な料金を請求したり
家族を亡くした心をより傷つける行為を平気で行います。
そのため、信頼できる遺品整理業者を選ぶことが大切です。
- 遺品整理士が在籍しているか?
- 電話での対応や態度が誠実か?
- 料金体系が分かりやすいか?
遺品整理業者を選ぶ場合には、この3つのポイントは最低限の条件として重視して選びましょう。
例えば、電話で相談した際にこちらの気持ちや要望に対してきちんと対応してくれる、きちんと自宅まで来て見積もりを出してくれる、といった丁寧な対応をしてくれる業者は良い業者といえるでしょう。
特に、遺品整理士は遺品を取り扱うための特殊な資格ですので、専門知識を持った人がいることで、信頼できるかどうかが大きく変わります。
また、初めから1つの業者に決めるのではなく、複数の業者へ相談や見積もりをお願いすることも大切です。
複数の業者から見積もりを取ることで、料金の相場を知ることができますし、対応による違いを比較することで本当に信頼できるかどうかをより正確に判断できます。
故人が残した大切な遺品を扱う業者だからこそ、あなたの気持ちや心を大切にしてくれる業者を選び、気持ちよく遺品整理を終わらせましょう。
遺品整理業者に見積もりをお願いする方法や注意点を下記でまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
写真は手軽に思い出を残せる手段だからこそ、多く残る遺品となります。
そして、思い出があるからこそ簡単に整理できない遺品でもあります。
ですので、写真1枚1枚と向き合いながら整理していきましょう。
遺品整理は手早く行うイメージがありますが、この考え方が常に正しいとは限りません。
大切なものだからこそ、ゆっくり時間をかけて整理することは決して悪いことではないのです。
心をこめて写真の整理をし、遺品整理の中で改めて故人を偲びましょう。