まだ体が動く内に身の回りのものを片付ける「生前整理」が最近注目されています。
自分の死に対してマイナスな感情を持って目をそむけるのではなく、前向きな気持ちで対峙するのが生前整理です。
時間が無かったり、重い荷物が多くて自分で生前整理ができない場合は、片付け専門の業者に依頼することも可能です。
今回は、生前整理を業者に依頼するときや、自分で生前整理を行った場合にかかる費用相場をご説明します。
生前整理をする理由とは
生前整理を行う理由は細かく見ると人それぞれですが、大きく分けて
- 家族のため
- 自分のため
このどちらかの理由です。
この項目では、生前整理を行う理由について解説します。
家族のために生前整理をおこなう
生前整理を行う理由として最も多いのが、「残された家族に迷惑をかけたくないから」というものです。
自分がいなくなった後に大量の物が残されてしまうと、残された家族はとても大変な片付け作業をする必要が出てきます。
自分の身の回りの物を減らしておくと、簡単な片付け作業で済むので残された家族に迷惑をかけません。
また、残された物が
- とっておくべきものなのか
- 売れるものなのか
- 誰かに譲れるようなものなのか
このような判断も本人以外がしていくのは、とても決断力が必要な作業です。
大事な人を失ってつらい思いをしているうえに、そのような作業もしなくてはならないのは精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。
どうしても捨てられない物は、それぞれどのようにするべきかを紙などに一覧にして書いておくと、残された家族の負担を減らすことができます。
生前整理は自分のためにもなる
生前整理は「家族のため」だけでは無く、実は「自分のため」にもなります。
不用品を処分し、本当に大切なものだけに囲まれて生活すると、心が軽くなりイライラしにくくなります。
年齢を重ねるにつれて、身の回りのものはどんどんと増えてしまう傾向にあります。
どれも大切な物に思えますが、何年も使っていない物はありませんか?
人生の最後に不必要な物に囲まれるよりも、本当に大切な物に囲まれていたいですよね?
また、生前整理は自分の人生の見つめなおしにもなります。
「あんなことがあったな」「楽しかったな」と思い出に浸りながら自分の手で片付けをするのも、時間がかかりますが幸せなひと時となります。
ぜひ、ご自分のためにも生前整理を行ってみてはいかがでしょうか。
生前整理にかかる費用相場
家の中の不用品を集め、処分するにはいくらくらいかかるのでしょうか?
業者に依頼する場合と自分で行う場合の費用相場をご説明します。
片付け業者に依頼するときにかかる費用相場
生前整理を業者に依頼するときにかかる費用は、部屋の広さや処分や撤去する物の量によって変わります。
目安として、部屋の大きさと生前整理にかかる費用相場を以下の表で紹介します。
1K・1DK | 40,000~ |
1LDK | 70,000~ |
2DK | 90,000~ |
2LDK | 120,000~ |
3DK | 150,000~ |
3LDK | 180,000~ |
4LDK~ | 220,000~ |
業者に生前整理を依頼するときに一番高くなる費用は、不用品を運ぶためのトラックのチャーター費用と不用品の処分費用です。
大型の家具などが無ければ、部屋が多少広くてもかかる費用は少なくなる傾向があります。
現地での見積時に、明朗会計の業者であれば合計費用の内訳が書いていますので、不安があるときは確認してみましょう。
自分で行う生前整理にかかる費用
自分で生前整理を行う場合にかかる費用は、主にゴミの処分費用です。
粗大ごみの処分費用
粗大ごみに出すためにかかる費用は各自治体によって変わります。
「お住まいの市区町村 粗大ごみ」でGoogleやYahooなどの検索サイトで調べてみてください。
ここでは一例として、東京都新宿区の粗大ごみの処分費用をご紹介します。
植木鉢 | 400円 |
HDDレコーダー | 400円 |
置物 | 400円 |
座椅子 | 400円 |
敷物(1畳以下) | 400円 |
敷物(1畳超) | 800円 |
スキー用品 | 400円 |
机(片袖) | 1,200円 |
机(両袖) | 2,800円 |
マッサージチェア(30kg以下) | 1,200円 |
マッサージチェア(30kg超) | 2,800円 |
ランニングマシン | 2,000円 |
粗大ごみ処分費用をご紹介した新宿区ではできないのですが、自治体によっては粗大ごみ処分場に自分で持ち込みをして粗大ごみを捨てることも可能です。
その場合、処分費用が収集の半額になる自治体が多いです。
自分で積み込み、荷下ろしまでしなければなりませんが、少しでも処分費用を安くしたいときは、持ち込みもオススメです。
生前整理を業者に依頼するときのコツ
生前整理を業者にお願いするときに失敗しないためのコツがあります。
相場よりも高いお金で依頼しないように、心無い作業で嫌な思いをしないようにしましょう。
見積もりをしっかりとる
自分が納得いく費用で業者に生前整理をしてもらうには、現地での見積もりが必須です。
ホームページなどで料金を提示していても、実際の物の量や部屋の広さによって変わることは多々あります。
実際にかかる費用をきちんと見積もりを出してもらいましょう。
その際には、複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりをしたほうが良いです。
相見積もりをすれば、相場よりも高すぎる業者に依頼する恐れは無くなります。
見積もりの依頼は電話でするのがオススメ
今は見積もり依頼を公式ホームページやLINEなどからすることも可能です。
しかし、当サイト(GoodLife)では、電話で見積もり依頼をすることを推奨しています。
電話で直接話すことにより、顧客に対する態度や姿勢をチェックすることができます。
生前整理は、自分にとっても家族にとっても大切な作業です。
誠意ある態度を示してくれる業者にお願いすべきです。
遺品整理士の資格を持っている業者を選ぶ
業者の中には「遺品整理士」の有資格者が常駐している業者があります。
遺品整理士は正しい遺品処分の仕方の知識はもちろん、整理する人の気持ちに寄り添うような片付けをする技術があります。
生前整理は通常の片付けとは意味合いが違います。
生前整理は、事務的に安く片付けをする業者に依頼するのではなく、自分の家族へ残したい想いなどを大切にしてくれる遺品整理士がいる業者にお願いするのがオススメです。
自治体の許可をとっている
家庭から出た不用品を処分することを仕事にするためには、自治体から以下の許可を得なければなりません。
- 自治体の処分場まで不用品を運ぶ「一般廃棄物収集運搬業の許可」
- 自治体の処分場では処理できない不用品を運ぶ「産業廃棄物収集運搬業の許可」
ちゃんとしている業者であれば、これらの許可をとっているはずです。
また、不用品の買取りもしている業者であれば、公安委員会から「古物商」の許可も必要となります。
これらの許可をとっていない業者は、(不用品買取りをしていない業者は「古物商」の許可は必要ありません)きちんとした業務を行っていない可能性が極めて高いです。
生前整理を依頼するときは、きちんと自治体から、公安委員会から許可をとって営業しているかどうかもチェックしましょう。
明朗会計かどうか
料金設定がしっかりと明示されている業者を選ぶこともポイントです。
曖昧な料金設定で、依頼する側がよく分からないようなオプション料金を足してしまい、当初予定していた費用をはるかに上回ってしまうこともあります。
健全に営業している片付け業者なら、こんなことは絶対に起こりません。
見積もりの際には、「なぜこの費用になるのか?」ハッキリと説明できる片付け業者を選びましょう。
生前整理をする時に注意したいポイント
生前整理は自分にとって、家族にとって大切なことです。
納得いく生前整理が行えるようなポイントをご説明します。
自分に合った業者を選ぶ
生前整理を行う業者をネットで掲載している費用だけで選ぶのは危険です。
最終的な価格は現地での見積もりで決定するので、ネットで記載している費用と同じ費用になる保証はありません。
もちろん費用も業者を選ぶうえでとても大切ですが、
- 電話対応の様子
- 現地見積もりの時の様子
- 業者が掲げている理念
- 業者を使った人の口コミ
これらも含め、複数の業者の中から総合的に選びましょう。
「この業者なら安心して依頼できる!」
と自分で納得できる業者を選んで後悔の無い業者選びをしましょう!
前向きな気持ちで生前整理を
生前整理は自分の死後のことを考えて行います。
ですので、ついつい暗い気持ちになってしまうこともあるでしょう。
しかし、生前整理を行えば家族はとても助かりますし、自分も荷物が減って快適になるのでスッキリした気持ちになることができます。
前向きな気持ちで楽しく生前整理をしましょう。
早いうちに始める
「生前整理は年をとってから行うもの」という考えも持つ人はとても多いです。
実際に生前整理を行う人は、60代~70代の人がほとんどです。
しかし、時が経つにつれて身の回りのものは増えていきますし、自分がいつどうなるかなんて誰にも分かりません。
気が向いたら、早いうちに生前整理を行ってしまうのもオススメです。
ただし、また荷物が増えてしまう可能性もあるので早めに生前整理をする場合は片付ける習慣を身につけておきましょう。
家族に生前整理を無理強いしない
「親の荷物がどんどん増えていき、親の死後どうすればよいのか心配」
このような考えを持つ方はたくさんいらっしゃいますよね。
しかし、家族に生前整理を無理強いすることは絶対にしてはいけません。
無理にやらせても、お互いに嫌な気持ちが残ってしまいますし、結果的にキレイに片付かないということもあります。
もし、勝手に生前整理の業者に依頼したり、物を処分したりしてしまうと家族内トラブルに発展する可能性が出てくるので絶対にやめましょう。
まとめ
生前整理は自分のためにも、家族のためにもなります。
片付け業者に生前整理を依頼すると、部屋の大きさによっても変わりますが費用は5万円~20万円ほどかかります。
しかし業者によっては遺品整理士による心のこもった片付けを行ってくれるところもありますし、決して高すぎる料金ではないでしょう。
安く生前整理をするためには、自分で不用品を処分することも可能です。
ぜひ納得いく生前整理を行ってくださいね。