粗大ゴミや大量のゴミが発生した場合、1人で処理するには限界があります。ゴミ回収業者に依頼した場合はどんなメリットがあるのでしょうか。自治体と業者の違いやサービス内容を詳しく見ていきましょう。優良業者の見分け方も紹介します。

個人向けゴミ回収業者のサービス

ゴミは大きく分けると、『一般廃棄物』と『産業廃棄物』の2つに分類されます。『一般廃棄物』は個人・家庭から出るゴミのことで、各自治体がルールを作り、それに基づいて処理がなされます。

一方、『産業廃棄物』は、工場から出るゴミを指し、自治体ではなく、ゴミを出した工場や業者の責任のもとで処理されるものです。ここでは、一般廃棄物、個人向けゴミ回収業者のサービスについて解説します。

粗大ゴミ回収

個人向けゴミ回収業者は、家庭から出た粗大ゴミの回収を行います。タンスや棚、冷蔵庫、洗濯機などが対象になり、部屋からの運搬から廃棄処分までを一括して請け負います。

都合のよい時間に来てくれる点や、部屋からの運び出しをしてくれる点は、自治体での処理にはないメリットです。自治体ゴミでは処理できないような家電4品目なども、積極的に回収してくれます。

業者によっては、リユースできそうなものを買い取る場合もあります。

片付けきれない大量ゴミの片付け

大量のゴミで溢れた『ゴミ屋敷』の片付けも業者に依頼することができます。

ゴミの仕分け、分別、運搬、処理を一括して行ってくれるので、生活していたそのままの状態で依頼しても問題はありません。体が不自由な高齢者などに重宝され、清掃や草刈りなど、プラスアルファのサービスを提供する業者もあります。

ゴミ屋敷の片付けでは、部屋の広さや人数、トラックの大きさごとに価格が決まっており、訪問見積もりをとるケースが多いです。

遺品整理のサービスも

近年需要が高まっているのが『遺品整理』のサービスです。個人向けゴミ回収業者が業務の延長で行うことが多く、『遺品整理士』の資格を持った従業員がいる場合もあります。

遺品整理と通常のゴミ処理との違いは、故人や残された遺族に配慮や敬意を持って取り組むということでしょう。「これは残して欲しい」という要望を1つ1つ聞きながら、丁寧に作業を行います。

仏壇を処分する際は魂抜きを行い、人形は供養するなど、物に合った処分方法を心得ているのも遺品整理の特徴です。

ゴミ回収の自治体と業者の違い

自治体と業者では、ゴミの回収や処分にどんな違いがあるのでしょうか?どちらにもメリットとデメリットがあります。

ゴミの回収方法の違い

自治体の場合は、普通ゴミや資源ゴミ、容器包装プラスチックなど、回収できるものが曜日ごとに決まっています。そのため、各家庭でゴミを分別し、決められた収集場所に運ぶ必要があるでしょう。

業者は自治体に『一般廃棄物処理業の許可』を得て処分を行っています。ゴミの処理方法は自治体のルールと同じですが、依頼者はゴミの仕分けをする必要がない上、時間・曜日に関係なく回収をしてもらえるのが特徴です。

ゴミ回収の料金相場の違い

上述したように、業者に依頼するとゴミの分別の手間が省け、いつでも好きなときに回収してもらえるというメリットがあります。その分、回収費用は自治体よりも高くつくでしょう。

料金に含まれるのは『基本料金+品目ごとの回収料金』で、各種資源ごみ、家電リサイクル対象品目、処理困難物などは別途手数料が必要です。また、タンスなどの上げ下ろしには、『特殊作業料金』がかかる場合もあります。

また、ゴミ屋敷の場合は、ゴミの量(トラックの数)、部屋の広さ、片付けにかかる人数などによって料金が決められます。

一方、自治体の場合、粗大ゴミの回収には200~1500円の処理手数料がかかりますが、それ以外の普通ゴミは無料で回収が行われます。

家電リサイクル法対象品目の回収

エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機は『家電4品目』といわれ、『家電リサイクル法』に基づいた処理が義務付けられています。

たとえば、大阪市は家電4品目の回収を行わないため、自分で購入した店舗、または街の電気屋さんなどに持って行き、リサイクル料を支払って引き取ってもらう形になります。

もしくは横浜市のように、自治体が家電リサイクル協力店や持ち込み先を紹介するケースもあります。

一方、回収業者は、家電4品目の回収代行を行っています。リサイクル料の他に代行料金がかかるので、若干割高にはなりますが、自分で運搬する手間が省けるのがメリットでしょう。

ゴミ回収業者の選び方

断捨離や遺品整理など、近年はゴミ処理や部屋の片づけを業者に依頼する人が増えています。ゴミ回収業者の数は増加傾向にあり、ルール違反をする悪徳業者も少なくありません。

実際にあったトラブルを例に挙げながら、優良業者の見分け方を解説します。

無料や格安を謳った業者には要注意

ホームページや広告で『無料・格安』を謳っている業者は注意が必要です。「〇〇円~」と明確な料金を提示していない場合、作業終了後に追加料金を請求されることがあります。

こちらが断ると、「トラックに載せてしまったから」という理由で積み上げ料や運搬料、さらには部屋に荷物を戻す料金まで請求されたケースもあります。町内などをトラックで回る『廃品回収車』は、特に注意が必要です。

札幌では不法投棄でトラブルがあったことも

自治体から『一般廃棄物収集運搬業の許可』を受けている業者かどうかを確認しましょう。許可のない業者、または『産業廃棄物収集運搬業の許可』しか受けていない業者は、家庭からのゴミを処理することはできません。

札幌では、遺品整理で出たゴミ400kgが、悪徳業者によって不法投棄されるトラブルがありました。環境に悪影響を与えるだけでなく、依頼者までもが罪に問われてしまうので、無許可の業者には十分に気をつけましょう。

地域のゴミ回収業者を紹介

各地域のゴミ回収業者を紹介します。家庭ゴミの処理に必要な『一般廃棄物収集運搬業許可』があるかどうかもチェックしましょう。

埼玉のゴミ回収業者 協和清掃運輸

埼玉県全域、東京都内のゴミ回収及びリサイクルを行う業者で、一般廃棄物と産業廃棄物の収集運搬業許可を取得しています。法人と個人のどちらにも対応しており、『基本料金』が無料なのが特徴です。

詳しい料金は公式サイトで公開していませんが、見積もりは無料なので、まずは電話で相談してみましょう。

株式会社 協和清掃運輸 | さいたま市・ふじみ野市

大阪のゴミ回収業者 泰進環境

大阪エリアの家庭ゴミ、粗大ゴミなどを回収する業者で、一般廃棄物と産業廃棄物の収集運搬業許可を取得しています。

自治体では回収しない家電4品目や、オートバイ、ミニバイクなども回収の対象としているので、急な引っ越しなどに重宝するでしょう。

ゴミ屋敷の片付けや遺品整理など、それぞれのニーズに合わせたサービスを展開しています。まだ使えそうなものであれば、買取もお願いすることができます。

株式会社 泰進環境 大阪市浪速区 粗大ゴミの収集

京都のゴミ回収業者 山本清掃

京都市伏見区に本社を構えるゴミ回収業者で、京都府内に数店舗の事務所があります。一般廃棄物と産業廃棄物の収集運搬業許可を取得しており、遺品整理、ゴミ屋敷の片付けも行ってくれます。

ゴミが多い場合は、GPS連動型計量装置付パッカー車でゴミの重量を計測し、料金を決めるスタイルです。危険物以外は、ほぼ何でも回収してくれるので、まずは気軽に相談してみましょう。祇園祭の粗大ゴミの回収も行っている優良認定企業です。

京都市産業廃棄物収集運搬許可保有事業者|京都 (株)山本清掃

広島のゴミ回収業者 広交産業

小口から大口まで、幅広いゴミに対応する広島のゴミ回収業者で、一般廃棄物と産業廃棄物の収集運搬業許可を取得しています。

1個から回収してくれる『小口回収サービス』と、多数のゴミがある場合に便利な『パックサービス』の2種類があり、公式サイトで料金の目安を確認することができます。

事前に見積もりをとり、しっかりと打ち合わせをしてくれるので、高齢者や1人暮らしでも安心です。

広交産業株式会社

まとめ

業者に依頼するメリットは多いですが、自治体に任せるよりも、料金が高くついてしまうことがほとんどです。自分では処理しきれないだけを業者にお任せするなど、自治体と業者を上手く組み合わせて利用しましょう。

業者を選ぶときは、安さばかりを見てしまうと、思わぬ落とし穴にはまります。